72時間ホンネテレビを見たので雑談

 72時間ホンネテレビを観ました。大変おもしろく観て、いまのテレビに足りない部分などもいろいろ感じたんですが、思うところをつらつらと書いてみます。

 

 この番組に関して、ネットでは“テレビがネットに敗北した”みたいな話が多々出てきてそうな予感がするんですが、個人的に感じたことは真逆で、72時間ホンネテレビが成功したことでカウンターカルチャーとしてのネット文化の終わりが確定したのかなぁと思います。

 ネットはそもそもテレビや新聞などの旧来メディアを敵視することで、育ってきた部分があると思うんです。新しいメディアとして、古いメディアに追いつき追い越せとやってきた。旧来メディアが持っているいろんな問題も、新しいメディアであるネットなら解決するだろうみたいな夢がいろいろあった。

 カウンターカルチャーの代表格でわかりやすいのがニコニコでしょう。出来得る限り、有名人を使わず、素人の力で場を盛り上げ、文化を賑わせようとやってきた。あの時代には、まだまだネットがテレビにとって代われるんじゃないかという夢があった。

 ある時期まではその夢を持ち得ていたんですが、ある時からどんどんどんどん、その夢が持ちづらくなり、ネットも旧来メディアの力が強くなってきた。その一つの象徴が有吉さんがtwitterフォロワー数で1位を獲得したことだったり、星野源さんの恋がバズったことであったりした。

 72時間ホンネテレビが大成功したことで、旧来メディア=芸能界が本格的にネットに目を向け始める可能性は高いと思います。その利益を一手に引き受けるのがAbemaTVでしょう。27時間ホンネテレビの中でいろいろCMを見ましたが、若者向けの番組をたくさん用意している。GENERATIONS高校TVを少しだけ観ましたが、往年の学校へ行こう!を思い出させる番組でした。

 そうやって芸能界が本格的にネットに進出して、ガチなテレビレベルのコンテンツを輩出したときに、ネット文化は対抗できるのかといえば、おそらく難しい。Youtuberもどれだけ凝ってるといっても素人レベルだろうし、プロがお金を掛けてやったコンテンツにはたぶん勝てない。

 早ければ東京五輪の頃には芸能界のネット進出が完了して、ネットがテレビと同じ風景になっている可能性もありそう。AmazonPrimeやNetflixだと有料だけど、AbemaTVは無料なので、テレビとがっつり対抗できる勢力になっている。

 ネットがテレビに取って代わることが出来るんじゃないかという夢はある時期まであった。確かにテレビの状況は微妙だが、ネットが勝ったかといえばそれも微妙で、テレビと同じものがネットで展開されるようになっただけというのが、現在の将来像だと思う。

 それにしてもネットにおけるテレビ的な覇権を獲得したのが、テレビ局でも、niconicoでもなく、サイバーエージェントだったいうのは、意外といえば意外だったなぁ。サイバーエージェントはもともと芸能界と相性が良かったし、言われてみれば納得ではあるんだけど。AmazonPrimeやNetflixなどの海外勢に覇権をとられなかったのだけが救いか。まぁ、まだわかんないけどねぇ。