漫画やアニメの実写化に関して、思うところを雑談

 鋼の錬金術師が実写映画化されるみたいです。どうやら評判がよくないらしく、ネットでは不評もちらほら。世界観が強い作品だからまともに映画化するのは難しいし、仕方ないよね。

 とか思ったら、まだ公開されてないのかよ。あまりにも駄作確定みたいな話が多くて、てっきりもう劇場公開されてるもんだとばかり思ってた。コンビニにいって、宣伝のポスターをみて公開日付が今週末なのに気付いて、マジでビックリした。

 予告編とかで作品の質はわかる部分はあるとはいえ、この作品に関してはあまりにも公開前に駄作確定みたいな反応が多い気がする。

 別にそう思うのは勝手だけど、作品を鑑賞していない時点*1で、一方的にネガティブな感想を流布させるのはあまりよろしくないんじゃないかなぁ。別に公開されたあとなら何でもいっていいとは思うけどね。

 たぶん他の作品ではここまでの反応を見ないことを考えると、ネットユーザーの雑にネタにしていい枠に何かのきっかけ(おそらく予告編)で入ってしまったんだろうなぁ。FF15とかもそんな感じがあったけれど。

 

 てかね、作品が嫌なら見なきゃいいんだよ。別に映画なんて強制的に観させられるもんでもないし、テレビの力が強い時代でもないからCMも回避しようと思えばいくらでも出来るだし。

 わざわざ騒ぎ立てる理由はないし、騒ぎ立てる方が作品や作り手に対するメリットが大きくなっちゃう。ダメだダメだと騒ぎ立てれば、それだけダメなら逆に観ようとか、観て話のネタにしようとか考える輩は出てくるわけで。実写化作品に限らず、嫌なら無視が正解。

 自分は漫画やアニメの世界をそのまま実写化したような作品は基本的には観ないしなぁ。何本かDVDを借りたときに、ダメでもネタにできる安牌として借りるくらいで。原作を元にして、監督の世界観を取り入れた作品なら映画館でも観ようと思うけれど。

 

 そんなたまに見る中でも、実写化作品は質が高くなってきたなぁと思いながら見てるけどなぁ。昔なんてイコール大ハズレの印象だったけど、デスノートのあたりから作品をそのまま実写化する方法論が確立された感じがあって、割と大ハズレは少なくなってきた印象がある。

 何故か実写化=駄作みたいな意見は多いけど、いまはそんなことはないんじゃないかなぁ。最近で大ハズレだったのって、進撃の巨人くらいなんじゃないの。全部駄作みたいな反応もよく見るけど、今年のNo.1ヒットが劇場版銀魂な時点で、それは完全な嘘だよね。実際、評判がいいみたいだし。

 それでも駄作は多いなんて話もあるだろうけど、日本映画なんてそんなもんじゃないの。ハリウッド映画みたいに打率はそんなに高くないよ。金も人も無いんだし、そこは仕方なかろう。

 

 よく実写映画化が発表された時点で阿鼻叫喚になって、映画会社を批判してる人がいるけど、別にキャストがダメとか、スタッフがダメとか、企画がダメとか、そういうので映画会社を批判するのはわかる。ただ、実写化の企画を立てること自体がダメで映画会社を批判は行き過ぎじゃないか。

 どういう例外も無しで実写化はダメというなら、まず批判は実写化を許可した原作者とか出版社に文句をいうべきだと思う。彼らが許可を出さなければ企画も動き出さないわけだし、実写化が絶対に嫌なら彼らに実写化させないでくださいとお願いするのが筋で、映画会社に企画を立てるなと批判するのは違うだろう。

 表現の自由の観点からみても、企画を立てる権利は残しておくべきで、表現の可能性を根本から潰そうとするのは許容できない。

 特に荒川弘さんとか、荒木飛呂彦さんとか、すでにキャリアも、実績も、収入もある人の作品だと特にそう思う。まだまだ売り出し中の若手漫画家さんの初めてのヒット作だったりした場合は、漫画家さんが弱い立場にいる可能性があるから、まだわからんでもないけどね。

 

 実写化する作品は原作をそのまま映画化すべきで、変更を加えるべきじゃないって話もよく見るけど、本当にそうかなぁとか思う。

 漫画と映画は表現方法が異なるし、次元も違う。そのままやったって、面白くなるわけがない。それでもやるなら漫画に近づけるか、映画に近づけるかしないといけない。漫画に近づけるなら、コスプレみたいになって、現実にはあり得ない格好もするようになる。

 いちばんいいのは孤独のグルメみたいに原作の肝だけを取り出して、残りはオリジナルでつくることだよなぁ。作品が複雑になればなるほどに、何が肝かを見極めるのは難しくなるだろうけど。漫画そのままの実写化をするのであれば、漫画を読めばいいよねぇ。

 まぁ、コスプレみたいに漫画に近づけて実写化するのは、できるだけ反発を防ぐ一つのテクニックではあるのだろうけども。

 

 念の為に書いておくけど、漫画の実写化に際して映画会社を批判するなとはいってないからね。作品が一般公開されたのであれば何をいっても構わないと思うし、キャストや予告編などの発表された範囲内であればどんどん批判すればいい。

 ただ、なんでもかんでも映画会社が悪いといって作品を企画することすら禁止しようとしたり、劇場公開がまだなのに、作品に駄作のレッテルを貼るのはよくないと思うだけ。

 

 漫画の実写化がこれだけ話題になるのは、何故か実写化作品はダメという共通理解があるからだろうなぁ。どこからそれが出ているのかわからんけど。昔の印象に引きづられてるのか、進撃の巨人みたいな大ハズレのインパクトが大きいのか。

 実写化に関して、ハリウッドはあれだけ成功してるのに日本はダメだみたいな話もあるけど、資金や人員的なところを除いても、アメコミは日本の漫画と違うところがたくさんあるから、その辺が成功の理由なんじゃないかなぁ。詳しくないからあまり語れないけれども、漫画と同じに語るといろいろ落とし穴がありそう。

 

 何はともあれ嫌なら観るな、観てないなら語るなは徹底したいところだなぁ。作品に対する最低限の礼儀は嫌いな作品に現れると思うし、作品を語りたいのであれば、その辺は意識していきたいところです。

 

*1:例え、試写会などで鑑賞していたとしても、一般公開前にネタみたいな形でネガティブな評判を流布するのはどうかと思う。