今年前半で観た映画とか、ドラマとかの感想を書く

 ここ半年くらいに観たドラマや映画の感想。長々と書いてもなんなんで、あらすじの類は省略します。

 

99.9-刑事専門弁護士-

 今年の年始に一挙放送されたので視聴。本放送当時に評判を聞いて面白そうだと思っていたのだけど、キャストも豪華で期待通りの出来。

 日本の有罪率の高さを逆手にとった設定で、刑事専門弁護士という捻った設定も上手い。基本的な話の構造は刑事ドラマと同じなのだけど、刑事ほどに無茶は出来ず、弁護士っぽい箇所も散見できて、その違いも面白い。

 全体の軸として主人公と因縁のある検察というベタベタな設定だけど、むしろそれがいい。というか、ここで冒険してないのが嬉しいくらい。

 日曜劇場のイメージとは全体違ったけれど、登場人物も総じてコミカルで楽しむことができた。不満といえば、軸になった話を中途半端に終わらせたことくらい。

 

99.9-刑事専門弁護士- SEASONII

 続編。検察を敵役にした深山の因縁に蹴りをつける序盤と、裁判官を敵役に据えた中盤以降の2つに話は大きく別れる。

 序盤は前作からの引き継ぎということで面白さは安定。前作で出てきたキャラクターも総登場で、前作同じように楽しめる。ただ、前作であれだけ盛り上げたものに関して、序盤で処理されるのは納得がいかない部分はあるし、それなら前作の最終回でやって欲しかった。

 中盤以降が今回の物語の主軸。裁判官を敵役にするというアイディアは面白いが、判定役を敵役にするというねじれで話が歪になり、上手く回っていなかった気がする。裁判官を敵役にするなら、彼らの善悪を判定する上位存在が必要だったんじゃないかと思う。

 次のシリーズがあるなら観るとは思うけど、敵役は検察に戻して欲しいなぁ。さすがに裁判官を敵役にするのは、トリッキーすぎるでしょう。

 

バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活をしたら〜

 無人島で朝ドラという突飛な設定ながら、前作にあったシリーズを貫く物語をなくし、バイプレイヤーズの魅力に特化したことで面白さが凝縮された。脇役でありながらも主役である矛盾した存在をどうやって活かすかをひたすらに考えられた面白い作品だった。

 最終回はどうなることかと思ったが、大杉漣さんの存在を際立たせつつ、現実を必ずしも否定しない演出が嬉しかった。セミフィクションの作品なだけに、現実に起こったことを完全になかったように演出するのも違う気がするし、あの塩梅が最良だったと思う。ラストも最高。

 次回作があるなら大杉漣さんの不在に説明をつけた上で、寺島進さんも含めたフルメンバーの作品を期待したい。よろしくお願いします。

 

クソ野郎と美しき世界

 ワイドショー的には話題になっていたけど、中身は話題になってなかった映画。実際の映画もそんな感じだった。新しい地図の最初のPVが上手く出来ていただけに、それに引っ張られすぎて上手くいってなかった感じがある。

 3作品の中で上手くいってたのは香取さんのだけかな。香取さんの不器用な感じと女の子の存在感に引き込まれた。園子温監督は稲垣さんを信用してないように見えたし、太田光監督は爆笑問題の漫才のテイストの部分以外はイマイチだったのが残念だった。

 次があるなら各作品をまとめるパッケージを工夫した方がいいと思った。テイストを先に決められて、そこで自由にやってくれと言われても難しかろう。まずは自由に戦える場所が必要だと思う。

 

コンフィデンスマンJP

 古沢良太さんのリーガル・ハイが好きだったので、その感じをイメージしてたら肩透かしをくらった。

 どの話も何故かいい話にしようとして、佳作が凡庸な駄作に近づいてしまったのが残念。ほとんどの話で悪役は実はいい人にした結果、最終的にはいい人を騙して主人公たちがお金を騙しとっただけになっている。コメディ色で中和しているけれど、どれも後味は悪い。

 どうせやるならゲストを完全な悪役にするとか、ミステリ色を強めて視聴者に推理させるとか、騙し合いのコンゲームにするとかにすべきだった。もしくは別の悪役をもう1人用意するか。どちらにしても古沢良太さんの色が平凡で塗り潰されてる印象が強い。

 キャラクターと設定は上手く出来ているだけに、フジテレビじゃなくて関西テレビがやってたらどうなってただろうとの想いを強くせざるを得ない。それくらいに残念な作品。

 

思い出した作品があったので、ここから追記

 

探偵物語

 薬師丸ひろ子さんと松田優作さんの映画をドラマでリメイクした作品。斎藤工さんと二階堂ふみさんのコンビが素晴らしくて、いろいろ難点はあったもののたっぷりと楽しませてもらった。

 根本的な問題として、数十年前に書かれた話をそのまま現代を舞台にして実写化するのは無理。当時だと女子大生がするのは御法度でも、現代では普通に行われていることはたくさんあるから。

 ただ、いろいろ問題点を放置したお陰で、二階堂ふみさんは思いっきり可愛い。お転婆な女の子を見事に演じている。ダメダメな探偵を演じる斎藤工さんと合わせて素晴らしいの一言。何より素晴らしいのが、長谷川京子さん。もうね、大人かわいいの極みみたいな感じで、長谷川京子さんだけでも見たほうがいい。

 他にもドラマ自体の構成がまんまテレ朝刑事ドラマとか、いろいろ言いたいことはあるんだけど、二階堂ふみさんと長谷川京子さんがかわいいので、それだけで見る価値があるので、是非とも見て‼︎

 但し、もう放送は終わってるので、どうやったら観れるのかはしらない(ぉぃ*1

 

黒井戸殺し

 2015年のオリエント急行殺人事件に続く、三谷幸喜×アガサ・クリスティーの2作目。前作が素晴らしかったので、今回も期待してみたのだけど、期待通りの作品でした。

 野村萬斎さんのポアロは安定してるし、ワトソン役*2大泉洋さんとのやりとりが素晴らしいの一言。

 ミステリの古典である原作の素晴らしさと三谷さんの脚本のアレンジが光る。各キャラクターの立たせ方が素晴らしい。

 このシリーズは是非とも継続してやってほしいし、次は出来れば映画で観たい。

 

なんとなく書いておきたかったので、しれっと追記

 

めちゃ2イケてるッ! 22年間の感謝をこめて最後はみんなで空高く舞い上がれスペシャル!!

 事前に全部新撮と告知を打った上での最終回。ここまで最終回までいろいろなことをやっていて、最後は何をやってくれるんだろうとは思ってはいましたが、残念さをそのまま引き継いだ形の最終回でした。

 そもそも全部新撮といいつつ、出てくるのは過去にやっていたけれどコンプライアンスの関係で出来なくなった企画の数々。懐かしいといえば、確かに懐かしいのだけれど、同時に古さも感じる部分も数多い。

 しりとり侍の最後で、岡村さんが過去にコンプラで企画が終わったことに逆ギレしたときに、ああ、やっぱり終わるべくして終わるんだなと思いました。放送当時は子どものことを気にしてて、ちびっ子なんて発言がよくされてて微笑ましかった記憶がありますが、そんな発言はほとんど出てくることもなく。

 最後は何処かの森でめちゃイケメンバーが全員集まって岡村さんの結婚式という名の卒業式。これはさすがに泣けました。最近は見てなかったにしても、昔は見てましたからね。矢部さんが三中さんを含む新メンバーがいたから続けられたという箇所は特にグッときました。

 三中さんは最後まで登場しなかったわけですが、めちゃイケが芸能界に引き込んだ訳だから、最後くらいは花を持たせるべきだったんじゃないかとは思います。登場しても何も出来ないだろうし、別に好きでもないけど、それでもこちらの道に引き込んだ責任はあると思う。

 最後の1時間半くらいは良かったけど、そこだけかなぁ。こういう発言をしておいてなんだけど、すべて新撮というなら、最近の企画なり、新企画なりをやって、めちゃイケの維持みたいなのを見たかった部分はある。それが見れなかったのは残念至極。

 変に長く続きすぎた番組だとは思うけれど、後継番組を育てなかったフジテレビが悪いよなぁと改めて。後継番組が出来て、若者向けみたいな立ち位置をバトンタッチ出来ていれば、もうちょっと違う展開もあったのかなと思います。

 どちらにしても出演者の皆様、スタッフの皆様お疲れ様でした。面白い番組を見せていただいてありがとうございました。文句ばかりですいません。

*1:テレ朝動画で観れるようです http://www.tv-asahi.co.jp/douga/tanteimonogatari

*2:役名ではなく物語上の役割