極私的2010年代ベストゲームを選んでみる

 一昨年末に予告したので、2010年代のベスト作品を書いてみる。

 条件は2010年代に発売された作品で自分が2020年までに遊んだ作品。誰しもが面白いと思うかはともかく、とにかく私が面白かった作品を並べました。

 選んだ数が半端なのは、選びたい作品を出していったらその数だけだっただけなので、深い意味はないです。

 

追記(2022/4/20):記事作成当初に最後まで入れるか悩んだが、再プレイしてやっぱり入れるべきだと思ったのでファイアーエムブレム 風花雪月を追加しました。

 

HOSPITAL. 6人の医師

 2010年にWiiで発売された作品。なのだけど、遊んだのはWiiUでDL版が発売されたとき。カドゥケウスシリーズの他の作品は未プレイ。

 医療を擬似体験するゲームなのだが、Wiiリモコンでただ遊ぶのではなく、さらに一歩先に進んで操作を取り入れて世界観を作り上げたのは見事。

 Wiiリモコンの動きや傾き、ひねりでいろんな手術を表現し、まるで本当に手術を行なっているような感覚で作品を楽しむことができる。

 ゲームパッドでは間違いなく表現できないゲームで、WiiやDSのような特殊なハードでこういうゲームが出せるアトラスの地力のすごさを感じる。

 唯一無二の作品なだけにハードの入手難易度などからこれから遊びづらくなっていくのは残念だが、機会があれば一度触れてみて欲しい。

 

ペルソナQ

 世界樹の迷宮とペルソナシリーズのコラボ作品。両シリーズ共にプレイ経験あり。

 ペルソナ3、4が大好きで、世界樹の迷宮も遊んだことがあったので購入したのだけど、期待以上の出来だった。

 キャラクターとRPGのシステムはペルソナで、ダンジョンは世界樹の迷宮のバランスが最高。

 システムもペルソナ本編と違って、全キャラ固有のもの以外にもう一体ペルソナを召喚出来るなど、ペルソナQにあわせた改善がされている。

 普段、こういうRPG作品は2周目なんて最後までしないものなのに、この作品はすぐに2周目をプレイして、3周目まで遊んだ。こういう例は本当に珍しい。

 両方の作品のおもしろさが足し算ではなく掛け算になっているから*1、すぐに2周目を遊んでも飽きることなく遊び続けられた。

 コラボ作品にありがちな話で両者のファンを取り込めず売上もそこそこだったらしいけど、是非とも両作品のファンに遊んで欲しい作品。

 特にペルソナシリーズのファンは遊んで損はないと思います。

 

ペルソナ5

 ペルソナ3、4と抜群におもしろくて、アトラスの別チームが製作した幻影異聞録#FEも最高*2で、上がりまくっていたハードルを軽々と超えていった素晴らしい作品。

 もちろん期待もしていたし、信頼もしていた、もともとのペルソナの育成システム、バトルシステムが優れているのだから下手な作品になりようがないことも理解していた。

 ただ、その上で抜群の世界観と物語を引き下げて、期待を数段上回る作品を出してきたのは凄まじい。

 システムは過去のペルソナシリーズで積み上げてきたものを改善して、さらにストレスなく遊べる仕組みを組み上げたし、キャラクターの魅力も、物語の素晴らしさも随一だと断言できる。

 物語に関して書くとネタバレになるので書くことが出来ないけれど、現代をズバリと切り裂いた物語は素晴らしいの一言でしかない。

 ペルソナ5 ザ・ロイヤルは遊んでいないので評価は出来ないけれど、ペルソナ5の時点で2010年代を代表する作品だと断言できるのは間違いないだろう。

 

TOKYO JUNGLE

 このラインナップの中では明らかに異色だけど、間違いなく面白いゲームなので、入れざるを得ない。

 ゲーム内容はシンプル。好きな動物を選び、荒廃した東京を他の動物を捕食したり、草を食べながら生き残る。

 ただそれだけなのに、すこぶる面白い。シンプルだからこそ、選んだ動物や指定されるチャレンジの内容によって遊び方が変わってくる。

 単純に強い動物を選べば楽ではなく、身体が大きい動物は食べる量も必要になるし、年を経るほどに状況が変わり、生き残るのが難しくなる。その塩梅が素晴らしい。

 毎回プレイ条件が違うから、何度遊んでも飽きない。ゲームのバランスが上手いから、いくらでも遊び続けられる。

 もしPS5にいますぐ移植して欲しいゲームはあるかと聞かれたら、この作品を間違いなくあげる。

 

スーパーマリオ3Dワールド

  コースクリア型を基本に、3Dマップを採用することで箱庭型のマリオの面白さを練り込んだ作品。

 コースクリア型マリオが持っていた緊張感に、箱庭型マリオの探索の要素が加わって、単なる進化以上に面白さが増幅している。

 コースごとに世界観を変えており、1つのコースだけを見ても楽しませる為のアイディアがこれでもかという程に詰まっている。

 猫マリオやダブルチェリーなどの新しい変身や、5人のキャラクターから複数人で遊ぶことも可能など、新しい挑戦も盛りだくさん。

 従来のマリオが積み重ねたものに安住するのではなく、新しい挑戦を巻き込み、両方を高い完成度でまとめ上げたのは見事。

 WiiUで発売された為にそこまで話題になることはなかったのだけど、スーパーマリオ 3Dワールド + フューリーワールドが出ることもあるので、是非とも再評価を期待したい。

 

ピクミン3

 間違いなく2010年代でいちばん長く遊んだ作品。

 ピクミン3はストーリーモードとミッションモードとビンゴバトルがあるが、自分がハマったのはミッションモード

 ストーリーモードも楽しいのだけど一回のプレイに時間が掛かりすぎる。その点、ミッションモードは10分くらいでピクミンの面白さを凝縮して楽しめる。

 ミッションモードのステージを試行錯誤して新しいやり方を見つけて、タイムを短縮していくのにハマった*3

 ピクミン3デラックスも遊んではいるけど、個人的にはWiiU版の方がWiiリモコンで直感的に操作が出来て好き。

 ピクミン4が出るかはわからないけど、たぶんピクミン3は越えられない。それくらいWiiUピクミン3の相性は最高だった。

 

ファイアーエムブレム 風花雪月

 ファイアーエムブレムは覚醒、ifと遊んできて、面白いがシステム的に面倒くさい部分が多くて敬遠していたのだが、風花雪月はそれを改善した上で、世界観とキャラの力で再び面白いと言わせた。

 世界観は基本的には旧来のファイアーエムブレムシリーズを引き継いだものであるが、そこに学校の概念と三国の対立を取り入れることで、ギャルゲーの面白さを深めると共に、物語の深みも増した。

 キャラの魅力は言うまでもなく。これだけたくさんの仲間キャラクターが登場しているのにも関わらず、嫌いになったキャラが1人もいない。シルヴァンとか絶対に好きにはならないと思ってたのに、今ではいちばん好きなキャラと言っても過言ではない。

 家制度など現実の思想とはあわない考え方をするキャラもいるが、安易に否定するのではなく何故そうなるのかを説明した上でキャラの魅力に転化するのも上手い。三国を扱うことで視点を多様にしているのも見事。

 硬派なSRPGが好きな人、古き良きFEが好きな人からすると評価は分かれるかもしれないが、風花雪月はFEのひとつの到達点であることは間違いない。選出が遅れたが、改めてベストゲームに入れたい。

 

ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド

 最初の評価はそこまで高くはなかったけど、何度も何度も遊び続け、評価が高くなった作品。

 この作品を遊んでからの3年間でいろんなオープンワールド作品を遊んだけれど、その中でもオープンワールドの自由度は随一であると断言できる。

 この作品は他のオープンワールドと面白さの方向性が違う。他のオープンワールド作品の面白さがアスレチックだとすれば、ブレスオブザワイルドは野山を与えられているような面白さを持っている。

 アスレチックは遊具がある場所は抜群に面白いけれど、遊具が無い場所は面白くない。反面、野山はアスレチックのように抜群に面白い場所はないけれど、自分で遊ぶ方法を見つける自由さがあり、面白さがどんどん大きくなる特徴がある。

 最初はアスレチック的な面白さを求めて評価が低くなってしまったが、長く遊ぶうちに野山的な面白さを見つけて、何度も何度も遊び続けることになった。

 唯一無二のゲームとは言わないし、要素だけを捉えれば似たようなゲームも無いこともないだろう。ただ、野山的な面白さを、あの規模で、全面に渡って表現したのは素晴らしいの一言。

 続編がどうなるかはわからないけれど、野山的な面白さの発展的な遊びの表現に期待したい。

 

DEATH STRANDING

 ペルソナ5が"現代"を描いた傑作だとすれば、DEATH STRANDINGは"現在"を描いた傑作。

 格差が大きくなり分断が如実に現れる現実の中で、荷物や道路や絆を繋ぐことで生まれる物語を描く。

 時代の最先端を目指した作品をつくっていると、いつしか時代の先を予言した作品が出来てしまうことがあるが、この作品も例に漏れずそういう作品だと思う。

 誰も予想できなかったコロナ禍により人と人が触れ合うことが忌避されていく中で、人はどうやって絆を構築するのか。

 開発当時は夢にも思ってなかったテーマだとは思うのだけど、発売後の現在になってみるとこれだけ"現在"を投影した作品は無いのではないかと感じる。

 サムが荷物を届け、絆を繋ぐ為に一歩一歩進み続ける中で、どうしても現実を顧みなければならないと感じさせられる作品は稀だろう。

 2010年代のベストというより、2020年代を占う作品という意味も含めて、あらためて多くの人にプレイされるべき作品だと思う。

 

【特別賞】龍が如くシリーズ

 何度か書いていることではあるのだけど、龍が如くの凄さは多作と安定性にある。

 2010年代に完全新作を6作品を発表*4と言うまでもなく多作なのに、作品の質は一定以上を保っている。

 ものすごい作品を何年かに1本出すのも言うまでもなくすごいが、一定の質が担保された作品を毎年発売することも同じくらい価値があると思う。

 本来、ここで選出しているベスト作品は、インパクトやリプレイ性を重視しているので、安定した面白さを提供し続けてる龍が如くは入らない。

 それでもこれだけ遊び続けている龍が如くを入れないのも違う。なので特別賞として"龍が如くシリーズ"を選出してみました。

 

 2010年代のベストゲームを選んでみました。1月中に出すと言ってたのに、ちんたらしてたら遅くなってしまった。

 自分でもなんであの作品が入ってないのかと思う作品もありますが、インパクトとリプレイ性で考えて、こういうラインナップになりました。

 

 最後になりますが2月2日でこのブログも丸4年が経過し、無事5年目に突入しました。また累計アクセス数も10万を超えております。

 ここまで来れたのも読んでくださる皆様のお陰です。ありがとうございます。

 変わらずマイペースではありますが、随時更新していきますので、今後ともお付き合いをよろしくお願いいたします。

*1:ちなみに続編のペルソナQ2も出たのだけど、ペルソナ5が追加されてキャラの数が増えすぎたことや、ペルソナ5のシステムをそのまま持ってきたことでバランスが崩れてしまって残念だった。

*2:ペルソナ5がなければ間違いなくベストに入っていたくらいに、幻影異聞録#FEも傑作であることは書いておきたい。

*3:そんなの他のゲームでも同じだと言われればそうなんだろうけど、ゲームが下手くそな自分からするとダメージが致命的になりにくいピクミンの性質があっていたんだと思う。

*4:クロヒョウやONLINE、リメイクは含めず。OF THE ENDと維新は含めてます。この辺は判断は分かれるとは思いますが、龍が如くスタジオ制作の完全新作を基準に換算しました。