龍が如く7をクリアしました。龍が如く6から主人公を桐生一馬から春日一番に、システムをアクションからライブコマンドRPGに変更して、シリーズの再出発を行ったシリーズの最新作。
評判がいいことは聞き及んでいたものの、大きい変更が多かったことから遊ぶ前は本当に面白いのか、龍が如くではなくなっているんじゃないかと疑心暗鬼で見ていましたが、最高でした。
まずもってアクションゲームからライブコマンドRPGへのバトルシステムの変更が見事。正直、プレイ前にいちばん不安だったのはこの大胆なゲームシステムの変更でした。
ゲームシステムの根幹を変更したので、もちろんこれまでと同じとは言えない。ただ、遊んでみれば何故変更したのか、変更することで何を描きたかったのかははっきりとわかる。
桐生一馬で描かれてきた龍が如くでは足りない部分を補完し、春日一番のキャラクターを活かし、春日一番である必然性を与えるにはライブコマンドRPGにすることが必須だったのだ。
これまでのアクションゲームのままであれば桐生一馬で十分だし、桐生一馬を超えることは難しい。10年以上の蓄積がある桐生一馬の龍が如くを超えるのは生半可なやり方では難しい。そこで根本のゲームシステムを変更するのはまさしく妙手。
強くて単独で戦える桐生一馬から、弱くて仲間がいないと戦えない春日一番へ変更することで、龍が如くの新たな魅力を生み出すと共に、桐生一馬時代の栄光を超える一歩を踏み出すことに成功した。
大胆な変更なので、途中で脱落した人が一定数いることは推測できる*1。自分もこれまでのシリーズ作品との雰囲気の違いに、最序盤で一度挫折していたりもする。
それでも作品の根っこにある魂の部分は共通しているし、序盤で違和感を持った人も話が進めば進むほどにやはりこれは"龍が如く"で間違いないと感じる作品だと思う。
もちろん欠点もある。その最たるものはタイマンの不在だろう。
1対1で対決するタイマンはまさしく男のロマン。龍が如く5の桐生編ラストのような1対多数の戦いも悪くないが、多数で1人を相手にする多数対1の戦いはどう考えても男らしくない。
ただ、ライブコマンドRPGは味方が複数人いることが基本なので、どうしても味方4人で敵1人をボコるなんて状況が多数生まれてきてしまう。雑魚敵を参戦させたり、敵を圧倒的に有利な状況にしたりして、不公平感を誤魔化してはいるけど、やっぱり男らしくない。
出来れば改善をして欲しいところだけど、根本のシステムが複数人を前提としたものなので難しくもある。無理矢理タイマンに持ち込んだバトルもあったけど、序盤ならともかく、終盤はイレギュラー的にしか描けない。
ぶっちゃけあとは好みの問題が大きいんじゃないかなぁと思ったりする。すでに書いたけれど、アクションゲームからライブコマンドRPGへの変更はあまりにも大きいから、そこで離れる人がある程度いるのは当たり前。
私は龍が如く7は"龍が如く"の魂を引き継いでいるとは思うけれど、タイマンにこそ漢のロマンがある‼︎ 複数人で敵を殴る龍が如くは認めない‼︎ 魔法(のようなもの)を使う龍が如くは認めない‼︎ なんて人も当然ながらいるだろうし、そういう人が龍が如く7を批判しても仕方ない。
ただ、これまでの龍が如くが好きだったのにRPGになったから、遊ばず嫌いで龍が如く7を遊ばない人がいるなら、それはあまりにももったいない。
RPGになってしまったけれど、龍が如く特有の遊びやすさは健在だし、RPGのいいところは引き継ぎつつ、面倒くさい部分は改良するなどして、龍が如く風のRPGになっていますからちょっと遊んでみるのも悪くないんじゃないかなぁと思ったりします。
女の子がいままででいちばん可愛かったり、サブストーリーがより面白くなってたり、意外なところで進化した部分も多々あるので、いままでの龍が如くをプレイした人も、したことがない人も楽しめる作品として龍が如く7をオススメします。