贔屓のハードで出てない作品を出してくれと言うことについて考えてみる

 ペルソナ5Nintendo Switchでの発売が決まったので、自分が贔屓にしているハードに他社ハードで出ている作品を出して欲しいと言うこと(俗にクレクレとか言われているやつ)に対する個人的な意見を書いてみる。

 これについての意見はソフトメーカーの作品に対するものとハードメーカーの作品に対するもので違う。まずはソフトメーカーから。

 

 ソフトメーカーの作品は贔屓のハードにも作品を出して欲しいといくらでも言っていいと思う。

 ハードメーカーとの契約を考えなければ、単純に移植の手間と売上のみの問題なので採算がとれそうならどんどん出るだろうし、採算がとれるほどに売れるなら誰も損しない。

 贔屓のハードで出しても採算がとれないと考えられてるならば、それはもうハード側の問題なのでハードメーカーを責めるか、自分たちで普及を頑張りましょう。

 

 対してハードメーカーが出している作品は事情が異なる。ハードメーカーの作品は単純に高い売上を上げるだけではなく、ハードの販売台数を増やす役割も担っている。

 そんな中で他社ハードにも作品を出してくださいと言うことはハードの販売台数を減らしてください、つまり損してくださいと言うのと似たようなものなので、相手に不利を強いることになる。

 もちろんそんなことを言っても高い利益を上げるのが一番だし、他社ハードでも出した方が売上が上がるなら出すべきとの考え方もあるだろう。

 ただ、どちらを選ぶかはハードメーカー次第なので他者が関与する部分ではない。

 

 どちらにしても贔屓のハードにも出して欲しいとお願いするなら、相手への礼儀や敬意は必須。

 「性能が低いハードであのゲームをやりたくない。贔屓のハードで出せ。」「高いハードを買いたくない。贔屓のハードで出さないなんて客のことを考えてない。」「なんであんな売れないハードで出すんだよ」とか言われて、出してあげようと思う人はいない。

 最近はハードメーカーが他社ハードでもソフトを出す例も増えてきているし、steamでは任天堂以外のほぼすべてのゲームを遊べる状況になっている。

 各社いろんな思惑がありつつそんなことになっているのだろうけど、これからはハードメーカーの作品が他社のハードでも遊べることがどんどん増えていくこともあるかもしれない。*1

 

 任天堂THE WONDERFUL 101の販売をプラチナゲームズ*2に許可して、他社ハードで発売されるなんて事例も出てきている。

 さすがに任天堂本体開発の作品は不可能だろうが、ソフトメーカーが開発している作品であれば、今後他社ハードで遊べるようになることもワンチャンあるかも。

 だからと言って、贔屓のハードで遊びたいから他社のハードで買うのを控えようとか言うのはダメ*3。贔屓のハードで出して欲しいなら相手への礼儀が第一。

 元のハードでも売れて、贔屓のハードでもそれなりに売れるのが一番理想。

 

 前提としてハードメーカーは自社のハードで一番楽しめる作品を考えて出しているはずなので、そのメーカーのハードで遊ぶのが一番楽しめるはず。

 ソフトメーカーにしても基本的にはそのソフトを一番最初に出したハードが最もその作品を楽しみやすい、多くの人に受け入れられやすいと考えて出しているはず。

 とはいえ、ユーザーも全部のハードを買って手元に置くのもお金や場所の問題で難しい。なので自分が持っているハードで出して欲しいというのはわかる。

 この辺りの折り合いは難しい。どのハードを買ったとしても、単体では遊べない作品は出てくる。全部を遊びたいなら複数のハードを買うしかない。幸い現在ではPC(steam)とNintendo Switchさえあれば大抵の作品は遊べる状況が出来ている。

 

 前から言われている話だけど永遠に解決しない課題だと思います。仮に一つのハードで遊べる状況が出来たとしても、独占による弊害や多様性の問題が出てくるでしょうから一長一短ではある。

 ただ、ゲーム会社とユーザーの関係性の話でいうと、やっぱり敬意や礼儀は大事だと思います*4。物を頼んでるはずなのに偉そうとか、訳がわからないですから。

 暴言を吐くと強くみえるのも事実ですが、最低限のところは忘れずにいきましょう。

 

*1:Microsoftがソフトをsteamに出すのはWindowsやXboxGamePassが売れれば儲けになるからでわかるのだけど、SONYがsteamに作品を供給しているのは謎。PCユーザーにSONY作品に馴染んでもらう為か、現在だとPS Plusへの勧誘目的もあるかも。

*2:この手の話でよく出るのがベヨネッタだったりする。そもそもベヨネッタシリーズの版権はセガが持っていて、初代が出たあとに続編を出さない決定をした。その後、続編を出す為に協力してくれないかと各社(おそらくSONYMicrosoftを含むのだろう)に打診し断られて、最終的に拾ったのが任天堂になる。そもそもセガが最初からPSやXboxで自ら出す判断をしてたり、任天堂以外の会社が受け入れればPSやXboxから出てただろうけど、断ったから任天堂が出すことになった。個人的にはこの話で任天堂を批判するのは筋違いで、批判するならセガだろうと思ったりする。ちなみにこの辺りの話はだいたい神谷さんが呟いてます。 https://togetter.com/li/722827

*3:個人としてそういう選択をとるのはありだし、そう考えるのは問題ない。ただSNSなどで発言するのは印象がよくない。

*4:「とか言いながらFF5,6の移植に関してはスクエニに暴言を吐きまくりじゃないですかね」あれはもうどう思われてもいいから言いたいくらいの怒りなので。あれで自分の評判が落ちるなら仕方ないと思ってます。