Nintendo Switchが成功話の余談として、少しだけ岩田元社長の話をします。

 Nintendo Switchの成功の理由を考えた記事を書いたけれど、ちょっとその余談を書いてみる。

 

 Nintendo Switchが何故成功したかを考えるときに、何故と共に、誰の功績かを語ることは往々にしてありがちなのだけど、その中でNintendo Switchの成功が岩田元社長*1の功績だと書く投稿をときどき見る。

 もちろん岩田元社長は素晴らしい経営者だし、Wii、DSの功績が素晴らしいのは言うまでもないが、Nintendo Switchを岩田社長の功績と言ってしまうのは違うのでは無いだろうか。

 Nintendo Switch開発の中心になったのは高橋伸也さん、小泉歓晃さん、塩田興さんの3人であり、岩田元社長は開発の中心人物ではない。岩田元社長は一歩引いた立場で、あくまでサポートの役割をしていたと言われている。*2

 

 岩田元社長も開発に多かれ少なかれ関わっていたことは事実だろうけれど、Nintendo Switchの功績はまず中心になって関わった3人に与えられるべきで、仮に岩田元社長の名前が出るならその次のような気がする。

 もちろん岩田元社長も開発に関わっているし、功績と言うのも嘘では無い。ただ、岩田元社長は人気で有名であるだけに、岩田元社長の功績と言ってもしまうと他の人の功績が見えにくくなりそうで何か嫌だ。

 任天堂は良くも悪くも岩田社長や宮本茂さんが有名かつファンが多すぎて、評価がそこに集中してしまう問題がある。

 社長が訊くなどを立ち上げて、他の社員にも光を当てようとした岩田元社長だからこそ、Nintendo Switchの功績を岩田元社長のもののように書くのは違うと思う。

 

 

 私も岩田元社長が好きだし、そう書きたくなる気持ちもわかるけど、評価はちゃんと中心になった社員さんに与えられるべきだし、そういう社員や環境を育てたのが岩田元社長の功績と言った方が素晴らしいのではないだろうか。

 直接的な開発についての岩田元社長の功績なら、WiiとDSの成功で十分なのではないかと。Nintendo Switchでいうなら、WiiUで失敗したけれどそこからNintendo Switch成功の為の環境を整えたあたりがいちばん正当な評価じゃないかなぁ。

 

 

*1:自分の中では今でも岩田社長は岩田社長なのでどう書くか毎回悩むんですが、さすがに古川社長がおられるのに岩田社長と書くのは違うので岩田元社長になりました。本当はもっと適切な表現があるのかもですが、ここではこの表現で勘弁してください。

*2:https://toyokeizai.net/articles/-/200053?page=2