ドラクエに国民栄誉賞を与えるべき

 冬季五輪の男子フィギュアスケートで2連続金メダルを受賞した羽生結弦選手が国民栄誉賞を受賞しそうとかで、おめでとうございます。

 羽生結弦選手が活躍したことは嬉しく思うし、国民栄誉賞も当然だろうとは思うんですが、こういうニュースのときにいつもそれならゲーム業界の人にもあげてくれよ………と思います*1

 

 ファミコンが誕生してから30年。たくさんのクリエイターが生まれ、世界的に評価を確立し、リオ五輪の閉会式でもマリオが活躍したのに、国からちゃんとした評価をされてない気がする。

 別に国から評価されなくても世間的には評価さらてるからいいだろうとか、そんなものは余計だという意見もわかります。

 ただ、どう考えても時間がない。ゲームの黎明期に活躍したレジェンドももういい年齢です。国が他の分野の人たちと同じく、ゲーム開発者をちゃんと評価していたと後世に残すには、そろそろラストチャンスです。

 

 そこで堀井雄二鳥山明すぎやまこういちの御三人に国民栄誉賞を授賞するべきといいたい。

 おそらく日本人でこの3人に国民栄誉賞を与えることに反対する人はほとんどいないでしょう。それほどにこの3人の功績は強固です。

 それでもなぜ他のクリエイターではなく、このタイミングで、この3人なのかはいくつか理由があります。

 まずは年齢的にこの3人が揃ってドラクエのナンバリング新作を出すのはXIが最後の可能性が高いこと。

 堀井さんと鳥山明さんはまだお若いですが、すぎやまこういちさんはもうすでに86歳。次のナンバリング新作が出る頃には90歳を超えてる可能性が高く、現役で作曲を続けておられるかは微妙な年齢。

 次にドラクエが国内で突出して評価されている作品であること。

 有名なゲーム開発者なら他の方もいるんですが、彼らは海外で評価を受けることも多いし、宮本茂さんなんかはフランスから賞をもらってる。

 ただ、ドラクエは国内しかない。将来的に情勢が変わる可能性もありますが、現状、国外で相応の栄誉を受ける可能性は低い。

 あとは鳥山明さんはゲームだけではなく、漫画でも確固とした実績があるので、その面でも評価できるという理由もあります。

 そう考えると、堀井雄二さんだけの授賞ではなく、鳥山明さんやすぎやまこういちさんも含めての授賞を考えた方がいいのかなと思いました。

 

 そもそも私がこのことを思い始めたきっかけは、スクエニの前会長の和田洋一さんが藍綬褒賞を授賞したときでした。

 そういえば漫画やアニメの人で、紫綬褒章を授賞した人は多くいるけど、ゲームではいるのかなと。

 調べた限りでは授賞者はおらず*2。いろいろ理由はあるんでしょうが、文学、音楽、演劇、映画、漫画、アニメなどの他の分野の人たちが表彰されて、ゲームは無いのはおかしいのではないか。黎明期ならともかく、リオ五輪閉会式でマリオが活躍した現在では特に。

 

 本当は他の分野と同じくゲーム開発者に紫綬褒章を与える体制を作って、国として継続的に評価されうる土壌をつくるべきだとは思います。

 ただ、紫綬褒章は官公庁の中で誰が決めているのかもよくわからず、どういう基準かもわからないので、積極的に授賞を目指すのはハードルが高そうだなぁと思いました。

 国民栄誉賞の実績ができれば、紫綬褒章をゲーム開発者に与える流れにも結びつきそうだし、国民栄誉賞は良くも悪くも政府の都合で与えられる賞なので、ハードルは比較的低い。

 

 国民栄誉賞を乱発することに関して賛否はありそうですが、それも今更の話で、それなら光が当たってない文化に光を当てる形で有効に使って欲しいと思います。

 ゲーム業界で国が賞をあげるべき人でいえば他にもいくらでもいるだろうし、すでに遅いくらいなんだけど、せめて風穴くらいは空けてくれないかなぁとか思ったりする。 

*1:羽生結弦選手が授賞することに不満があるとかではないです。念の為。

*2:和田洋一さんが授賞した藍綬褒賞と紫綬褒章はどちらも国が褒賞するものですが、対象者が別です。藍綬褒賞は業界の発展に貢献した功績に与えられるもので、紫綬褒章は学術文化の発展に貢献した功績に与えられるもの。