マリオ+ラビッツ キングダムバトルをクリアしたよ

 マリオ+ラビッツ キングダムバトルをクリアー。

 任天堂のマリオとUbisoftのラビッツがコラボしたSRPG

 おそらくNintendo Switchの発売に際して作品不足を危惧していた任天堂Ubisoftと交渉し、マリオを貸し出すことで出ることになった作品じゃないかと妄想してみる。

 

 内容はよくあるSRPGなのだけど、メインの武器が銃であることと、味方が3人縛りであることが特徴。あくまでマリオでラビッツなので、FEのような重厚な物語は無し。

 SRPGとしてよく出来ているし、軽く楽しめるのでSRPGなんて難しい、マリオだからやってみようという人でも大丈夫。

 ただ、逆にいえばリセマラ上等でSRPGをクリアするような人からすれば、明らかに物足りない作品であるとも思う。

 

 キャラクターのコラボ作品だと、どちらかが前面に出ているものだけれど、この作品ではラビッツが前に出ている印象。マリオの世界をベースにラビッツたちが暴れまわる。

 ラビッツは小憎らしくて不細工だけど可愛くて、欧米で人気が出そうなキャラクターだなぁと思った。

 ミニオンは日本でも人気らしいし、ラビッツも上手く展開すれば人気が出るんじゃなかろうか。

 

 作品内容に不満はないのだけど、ボリューム不足はいかんともし難い。難易度が低めになってるのも仕方ないとは思うのだが、そこを調整する何かが欲しかったとも思う。

 シンプルなSRPGはどうしてもパズルに近くなってしまう。とすると、クリアのコツを掴んでしまえばサクサク解けて、試行錯誤がなくなってしまう。

 その辺はDLCなのかなぁと思わないでもないけど、フルプライスの作品なんでDLCに頼るのは甘えでしょう。せめて分量は増やすべきだった。

 

 基本の遊びはおもしろいし、さっくり遊ぶ分には十分に楽しめると思います。ただSRPGとして、戦略や育成を腰を据えて楽しみたい人には物足りなそう。

 システム面などはよく出来てて、すごく楽しめるだけに、ボリュームの面での物足りなさが気になってしまった。

 ボリューム不足を気にしなかったり、SRPGをあまりやらない人なら十分に楽しめると思うので、そういう方は是非。

PlayStation LineUp Tourがおもしろかったので、ちょっと感想を書いてみる

 PlayStation LineUp TourはSONYの発表会ではあるのだけど、東京で開催されている国内向けのイベント。TGS前に関連ソフトを紹介するとか、そんな感じなのかな。

 ぼんやりとメディアの実況を追っていて、割と気になるものが多かったので感想を書いてみる。

 

 Cygamesが新作を発表。確か、グランブルーファンタジーも据置機で発売を予定してたはずだし、スマホだけではなく、コンシューマへも向かっていくつもりなのかなぁ。

 AbemaTVとかもそうだけど、サイバーエージェント関連の動きは誰もやって来なかったけれど、意外と王道の動きが多くて面白い。新しいメディアで成功すると、古いメディアはオワコンとかいって無視する人が多いけど、サイバーエージェントはそうじゃないから。変に新しさを狙わず、愚直に経験値を得られる方向へ舵を切れるのは偉いと思う。

 ただ、それとゲームの面白さは別。スマホゲームとコンシューマも違うしね。映像に関してはPS4レベルを達成しているようにも見えるけど、あくまでPVだから実機でどこまで出来るかわからん。果たしてどこまで出来るか、楽しみに待ちましょう。

 

 ファイナルファンタジー クリスタルクロニクル リマスターが発表。まさかこのタイトルが復活するとは思わなかった。

 といっても、当時はゲームをあまりやっていなかったし、ソロプレイで遊べるゲームじゃない印象があったので遊んだこともなく、内容も知らないのだけども(すいません)。ただ、twitterのトレンドのトップに略称であるFFCCが来ていたので、人気のあるタイトルではあるのだろう。

 GCの頃はスクエニが割とマニアックなGCの使い方をしていて、このソフトはGCGBAを連携させて遊ぶソフトだった。つまりハードが複数必要であり、一緒に遊ぶ仲間も必要だった。そう考えれば、オンラインが普及した現在に復活させるのは英断なのだろう。遊ぶハードルは格段に下がるわけだし。

 問題はそもそもそこまで売れてなかった作品をリマスターして売れるのかってとこだけど、勝算がなければやらんだろうし、何かあるんだろうなぁ。

 Nintendo Switchで出るのかも気になるところだけどどーなんだろと思って確認したら、Nintendo Switchでも出るらしい。ありがとうありがとう。

 

 荒野行動がPS4に。PUBGがXbox one専用になっているうちに、荒野行動がPS4に来ちゃったよ。

 著作権的なあれこれはともかく、荒野行動はPUBGより明らかに動きが早くて、スマホ市場ではPUBGよりも認知度がある気すらする。宣伝もたくさんやってるしなぁ。遅かれ早かれNintendo Switchにも来るかもしれない。

 ただ、荒野行動のアキレス腱は著作権で、PUBG側に訴えられたままだったはずなんで、その辺がどうなるかは微妙。Fortniteは訴えを取り下げられてたけどね。

 荒野行動をやるかは微妙かなぁ。まんますぎるんで、出来ればPUBGを待ちたいところ。著作権関連の蹴りがつけば、カメラ操作が反転できる方を優先して遊びます。Fortniteは反転できないから遊べないんだよなぁ。残念至極。

 

  「GHOST OF TSUSHIMA」と「DEATH STRANDING」の新規映像が。どちらも気になるが、自分の腕前でまともに遊べるのかが最大の問題。あとに紹介された「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」も気になる。

 神谷英樹さんのゲームを大神でようやくクリア出来た*1んで、出来れば次は小島秀夫さんのゲームを遊んでみたいと思ってるんだが、入門にどうなんだろうなぁ。

 小島秀夫さんはSONYファンの方々が任天堂をdisるときに名前を出すことが多く、変な印象がついてしまってるので、どこかで払拭したい。もうちょっと様子見。

 

 名越さんが登壇し「JUDGE EYES 死神の遺言」を発表。龍が如くスタジオの新作。間違いなく国内向けの今回の目玉。

 龍が如くシリーズ以外の新作はバイナリードメイン以来のはず。海外市場の開拓を狙っていたバイナリードメインと違って、今作は明らかに国内市場が狙いっぽい。だって、主人公が木村拓哉さんですから。

 映像を見る限りは、龍が如くの資産を存分に活かしてつくられた作品の印象。アドベンチャーの部分に関しては期待していいと思う。

 ただ、問題は物語で、龍が如くは任侠モノの勢いでぶっちぎることが出来たけど、ミステリと法律を扱うとそうはいかない。どうしてもロジカルな部分が必要になるわけだけど、龍が如くにそういうイメージはあんまりないんだよなぁ。どこぞのミステリ作家が脚本協力するならともかく、大丈夫なんだろうか。

 名越さんが仰っている感じからするとバトルはなさそうだけど、それで何処まで面白くなるのか。龍が如くみたいにギャグたっぷり、コミカルにも楽しめるとはいかないだろうし。いろいろ不安なんですが、続報に期待。

 

 そんなところかな。最初はtwitterの実況を覗いていただけだったんですが、興味がある作品がたくさん出てきて面白かった。

 今回の発表会が国内向けでありながらも、海外でも戦える作品が多数出てきたことと、続編ではない新規タイトルが多かったのが理由かなぁ。海外向けでも気になるのが多かったのもありそう。

 

 そいや最近PS4で出た「Marvel’s Spider-Man」が面白そうで気になってる。

 E3とかの映像では、どうせ超絶難しいんでしょ???と見ないフリをしていたのだけど、どうやらそこまで難しくないらしく、自分でも遊べそう。都市での縦の移動をどうやって楽しめるかは興味がある。詳しいことはわからないけど、タイミングがあえば買ってみるかもしれない。

 普段は任天堂ハードのソフトを多く遊んでる身だけど、PS4でも面白そうなソフトがいろいろ出てきてうれしい。洋ゲーに手を出すのはまだまだハードルが高いけど、遊びたいソフトが増えればいいなぁ。

 

追記:「JUDGE EYES 死神の遺言」ですが、メディアの続報やその後に公開された映像を見る限り、バトルは普通にあるみたいです。

 トレーラーを見る限りではシステム的には完全に龍が如くを踏襲した上で、物語と登場人物だけを変えた作品になりそう。舞台も神室町だし。こうなると本当に物語だけが不安だ。いいものができればいいけれど。

 とりあえず発表で出たものとは別の、ゲームのシステムを紹介したトレーラーを見る限りではすごくおもしろそうでした。

 発売直後に買いたいくらいではあるんだが、ペルソナQ2とスマブラSPがあるんで、早くて年明けとかかな。楽しみ。

 

 発表会の翌日になって、ラストレムナントやテイルズなど、いくつかのリマスター版が発表されました。

 ハードの切替直後ならともかく、このタイミングでリマスター版がたくさん出てくるのはどういうことなんだろ。

 下位互換がないので名作を出し直しと捉えるのは楽だけど、それだけ出せる作品がないのかなぁ。スマホで忙しいのはわかるけど、コンシューマにもソフトを供給して欲しいもんです。

 

  PlayStation LineUp Tourを観てなおしてて思ったけど、この内容でやるならNintendo Directみたいに映像配信でよかったんじゃないかなぁと思った。

 ゲームの開発者が続々と出てきたり、E3みたいにイベントと連動していて現地でやることに意味があるならともかく、わざわざメディアを呼んで、お金を掛けてやることでもないでしょう。

 あれで得したのって、唯一現地に登場した名越さんとメディア関係者だけじゃないだろうか。ああいう形でメディア関係者を喜ばせるなら、ユーザーファーストでやるべきじゃないかなぁ。

 任天堂と違って儲かってんだろうし、無駄金を使う余裕もあるんだろうけど、それならもっとユーザー得するような何かに使って欲しいなぁとは思った。

*1:神谷英樹さんのゲームは大神にたどり着くまでに、ベヨネッタTHE WONDERFUL 101で挫折をしてたりする。大神は絶品だった。

オクトパストラベラーをクリアしたよ

 オクトパストラベラーをクリアー。発売からおよそ1ヶ月半経ちましたが、ようやくクリア出来ました。いま確認して、そんなに経ってたのかとびっくりした。

 スーパーファミコン時代のドット絵を現代に復活させて、当時のスクウェアRPGの風味を全開に出した作品。いろいろ不満点もなくはないけど、あのビジュアルにビビビッとくる人であれば、間違いなく楽しめる作品だと思います。

 

 インディーゲームをあまりプレイしない人間なので、かなり久々にドット絵のRPGをプレイしたけれど、あそこまでいいとは思わなかった。まさしく省略の美学、デフォルメの素晴らしさ。

 もちろん現実と見紛うような美麗な3DCGの素晴らしさもわかるんだけど、足りない部分を各人の想像で補うドット絵の素晴らしさを再認識した。

 でもやっぱりドット絵にしたからいいかという話ではなくて、ちゃんとシステム周りやキャラクターも洗練されてて、その上でドット絵RPGの魅力を十分に引き出している。あの時代のRPGが好きな人なら絶対にプレイすべき作品。

 

 ただ、欠点がないかといえばそんなことはなくて、8人のキャラクターがそれぞれの物語を紡ぐ形式を採用したことで問題も発生している。

 自由度の高いシステムを採用したお陰で、そこから外れる部分に関しては説明がまったくなかったりする。例えば、道中にある洞窟の意味合いとか、サブで使えるジョブの取得の仕方であるとか。自由度が高いといえば聞こえがいいけど、まったく案内がないのは不親切かと。

 

 物語も8人の物語を描いた都合上、個々の物語が短いものになってしまったり、裏ボス関連の話が雑に語られたのは残念だった。

 ただ、この辺は開発で限られたリソースの中で、何を優先するかで選ばれたものではあるのだろう。次回作では、もっとずっしりと読ませる物語を楽しんでみたい。

 

 オクトパストラベラーに関しては、開発チームに全幅の信頼を置いていたものの、ここまで楽しませる作品を遊べるとは思わなかった。ドット絵の魅力を新しい形で再現したことに関しては拍手を送りたい。

 ぶっちゃけE3でこの作品をろくに扱わず、早々に売り切れて売り時を逃したスクエニは反省して欲しい。PS4のAAA作品が重要なのもわかるけど、ちゃんと魅力のある作品を前面に出していくことの方が重要だと思う。

 スクエニは反省して、責任を持ってオクトパストラベラーの開発チームに十分な予算を与えてサポートしてあげてください。

 

 いやぁ、本当、ここまで堪能した作品も久しぶり。

 クリアまでに1ヶ月半掛かったと冒頭に書いたけど、途中でやり直したり、終わりたくなくて裏ボス前のレベル上げをちびちびやったりも含まれるので、本当ならもっと早くクリア出来たけど、クリアしたくなかったからここまで伸びてしまった。

 久しぶりの感情を体感できたのは素直に嬉しかった。また次回作も出ると信じて、楽しみに待っております。

Nintendo Directの配信が延期になったので雑談_20180907

 Nintendo Directが配信されたら更新しようと思ったのだけど、延期されちゃったのでスマブラダイレクトなどの内容を中心に投稿。前が7月なので1ヶ月半ぶり。

 ドラガリアロストダイレクトも配信されたけど、興味がない上に、観てすらいないのでまったく触れていません。悪しからず。

 

 先月のことですが、スマブラダイレクトが配信されました。

 キャラクターの追加はあったけれど、システムとして大きく変更した部分は無し。その代わりに微に入り細に穿つような細かい部分の修正がたくさん。

 細かいところだけど変更して欲しかった部分がどんどん変更されて、もうこれで文句は言わせないという意気込みを感じました。ここまで細かく希望を叶えてくれて、楽しませるお膳立てをするなら、もう楽しまないわけにはいかないでしょう。

 スマブラSPスマブラシリーズの中でも決定版になるのは間違いないと思います。

 

 新キャラが5人追加されましたが、個人的に嬉しかったのは、クロムの参戦。

 キャラクターとしてクロムが参戦したのももちろん嬉しかったんですが、より嬉しかったのはロイのダッシュファイターだったこと。ああ、これで逆手ではなく、順手のロイが遊べるよ。DXぶりだよ。嬉しいよ。

 ロイはDX時代は剣を普通に持ったキャラクターだったんですが、forで追加された際には何故か剣を逆手に持つキャラクターに変更されてて使いにくかったんです。これでやっと順手のロイがクロムとして遊べる。使うのがすごく楽しみ。

 

 スマブラモンスターハンターの恐竜*1が追加されたわけですが、モンハンの新作はNintendo Switchで出るんでしょうか。

 正直、モンハンワールドがCAPCOM史上いちばん売れてる以上は、わざわざNintendo Switchで出す必要性は無いはずなんですよねぇ。

 そもそもスマブラSPにハンターの参戦は予定されてたが、モンハンワールドの予想外のヒットでCAPCOMNintendo Switchで出すのを止めると言い出したからおじゃんになった可能性もあると思ってる。

 モンハン次回作の開発状況もわかんないし、もう出ないとか、次で世界的に売れなかったら終わりもありそう。

 

 FFXV ポケットエディションがNintendo Switchで発売されるとの記事を読みました。ちょうどNintendo Directが配信される日に発表されたことを考えると、Nintendo Directの目玉のひとつの予定だったんだろうなぁ。

 これでノクティスがスマブラに参戦する可能性が出てきたかなぁ。あるとすれば延期になった次のNintendo Directだろうねぇ。楽しみ楽しみ。

 世間ではキングダムハーツのソラが参戦するんじゃないかと言われているらしいけど、新作が任天堂ハードで発売されないんだからないでしょう。年明けに新作が発売されることを考えると最高の宣伝にはなるけど、敵に塩を贈る意味はないしなぁ。

 

 延期されたNintendo Directのメインはスマブラマリオパーティだろうけれど、早朝配信で欧米向けの内容だろうからメトロイドプライム4とか、ベヨネッタ3の情報もありそうかなぁ。来年以降の作品情報がないので、そろそろ何かを知りたいところ。

 

 

 脈略もなく、ぼんやりと考えていたことを唐突に書いてみる。

 前は順調に作品が発売されていたけれど、最近は新作が出ていない作品があるとする。久々の新作が出ると思ったらハードが変わってたり、作風が変わってたり、何かとコラボして、元の作品と明らかに違う部分が割とあるときに、その作品のファンが買うべきかは難しいところだよなぁとか思う。

 ただまぁ、本当にその作品が続いて欲しい、ちゃんとした新作が出て欲しいと思うのであれば買うべきだと思う。特定のクリエイターに紐付く新作が欲しいとかの場合は別だけど。

 そもそもそれだけの長い期間に新作が出てないのであれば、会社側に商業的に儲かる可能性がないと思われてるのは明らかだし、形だけでもそれを覆さないと、どんな形でも新作なんて出るわけがない。会社側も商売である以上は儲けなきゃいけないわけだし、その作品のファンであるなら儲かるところをみせないとダメでしょう。

 もちろん個人の事情もあるし、買わないのは作品に対する愛がない証だなんてことは思わないけど、待ってた新作が出たからには形だけでも応援したいもんです。作品なんてすぐに出なくなっちゃうんだから。

 買わずにぐずぐずちゃんとした新作なら買うとか文句をいうのはいちばんダメだと思う。儲からない作品であることがはっきりしている以上、買わないならもう出なくても仕方ないと腹をくくるべき。

 私はそんな気持ちで3DSピクミンを買いましたが、触って1日でクソゲーだわぁと思ってそのままになってます。据置機のまともな新作が出て欲しいにゃん。

 

 次の雑談の更新はNintendo Direct配信後になると思います。それまでに貯まっている記事をいくつかまとめて投下したい。

*1:モンハン詳しくないので名前を知らないんです、すいません

今年前半で観た映画とか、ドラマとかの感想を書く

 ここ半年くらいに観たドラマや映画の感想。長々と書いてもなんなんで、あらすじの類は省略します。

 

99.9-刑事専門弁護士-

 今年の年始に一挙放送されたので視聴。本放送当時に評判を聞いて面白そうだと思っていたのだけど、キャストも豪華で期待通りの出来。

 日本の有罪率の高さを逆手にとった設定で、刑事専門弁護士という捻った設定も上手い。基本的な話の構造は刑事ドラマと同じなのだけど、刑事ほどに無茶は出来ず、弁護士っぽい箇所も散見できて、その違いも面白い。

 全体の軸として主人公と因縁のある検察というベタベタな設定だけど、むしろそれがいい。というか、ここで冒険してないのが嬉しいくらい。

 日曜劇場のイメージとは全体違ったけれど、登場人物も総じてコミカルで楽しむことができた。不満といえば、軸になった話を中途半端に終わらせたことくらい。

 

99.9-刑事専門弁護士- SEASONII

 続編。検察を敵役にした深山の因縁に蹴りをつける序盤と、裁判官を敵役に据えた中盤以降の2つに話は大きく別れる。

 序盤は前作からの引き継ぎということで面白さは安定。前作で出てきたキャラクターも総登場で、前作同じように楽しめる。ただ、前作であれだけ盛り上げたものに関して、序盤で処理されるのは納得がいかない部分はあるし、それなら前作の最終回でやって欲しかった。

 中盤以降が今回の物語の主軸。裁判官を敵役にするというアイディアは面白いが、判定役を敵役にするというねじれで話が歪になり、上手く回っていなかった気がする。裁判官を敵役にするなら、彼らの善悪を判定する上位存在が必要だったんじゃないかと思う。

 次のシリーズがあるなら観るとは思うけど、敵役は検察に戻して欲しいなぁ。さすがに裁判官を敵役にするのは、トリッキーすぎるでしょう。

 

バイプレイヤーズ〜もしも名脇役がテレ東朝ドラで無人島生活をしたら〜

 無人島で朝ドラという突飛な設定ながら、前作にあったシリーズを貫く物語をなくし、バイプレイヤーズの魅力に特化したことで面白さが凝縮された。脇役でありながらも主役である矛盾した存在をどうやって活かすかをひたすらに考えられた面白い作品だった。

 最終回はどうなることかと思ったが、大杉漣さんの存在を際立たせつつ、現実を必ずしも否定しない演出が嬉しかった。セミフィクションの作品なだけに、現実に起こったことを完全になかったように演出するのも違う気がするし、あの塩梅が最良だったと思う。ラストも最高。

 次回作があるなら大杉漣さんの不在に説明をつけた上で、寺島進さんも含めたフルメンバーの作品を期待したい。よろしくお願いします。

 

クソ野郎と美しき世界

 ワイドショー的には話題になっていたけど、中身は話題になってなかった映画。実際の映画もそんな感じだった。新しい地図の最初のPVが上手く出来ていただけに、それに引っ張られすぎて上手くいってなかった感じがある。

 3作品の中で上手くいってたのは香取さんのだけかな。香取さんの不器用な感じと女の子の存在感に引き込まれた。園子温監督は稲垣さんを信用してないように見えたし、太田光監督は爆笑問題の漫才のテイストの部分以外はイマイチだったのが残念だった。

 次があるなら各作品をまとめるパッケージを工夫した方がいいと思った。テイストを先に決められて、そこで自由にやってくれと言われても難しかろう。まずは自由に戦える場所が必要だと思う。

 

コンフィデンスマンJP

 古沢良太さんのリーガル・ハイが好きだったので、その感じをイメージしてたら肩透かしをくらった。

 どの話も何故かいい話にしようとして、佳作が凡庸な駄作に近づいてしまったのが残念。ほとんどの話で悪役は実はいい人にした結果、最終的にはいい人を騙して主人公たちがお金を騙しとっただけになっている。コメディ色で中和しているけれど、どれも後味は悪い。

 どうせやるならゲストを完全な悪役にするとか、ミステリ色を強めて視聴者に推理させるとか、騙し合いのコンゲームにするとかにすべきだった。もしくは別の悪役をもう1人用意するか。どちらにしても古沢良太さんの色が平凡で塗り潰されてる印象が強い。

 キャラクターと設定は上手く出来ているだけに、フジテレビじゃなくて関西テレビがやってたらどうなってただろうとの想いを強くせざるを得ない。それくらいに残念な作品。

 

思い出した作品があったので、ここから追記

 

探偵物語

 薬師丸ひろ子さんと松田優作さんの映画をドラマでリメイクした作品。斎藤工さんと二階堂ふみさんのコンビが素晴らしくて、いろいろ難点はあったもののたっぷりと楽しませてもらった。

 根本的な問題として、数十年前に書かれた話をそのまま現代を舞台にして実写化するのは無理。当時だと女子大生がするのは御法度でも、現代では普通に行われていることはたくさんあるから。

 ただ、いろいろ問題点を放置したお陰で、二階堂ふみさんは思いっきり可愛い。お転婆な女の子を見事に演じている。ダメダメな探偵を演じる斎藤工さんと合わせて素晴らしいの一言。何より素晴らしいのが、長谷川京子さん。もうね、大人かわいいの極みみたいな感じで、長谷川京子さんだけでも見たほうがいい。

 他にもドラマ自体の構成がまんまテレ朝刑事ドラマとか、いろいろ言いたいことはあるんだけど、二階堂ふみさんと長谷川京子さんがかわいいので、それだけで見る価値があるので、是非とも見て‼︎

 但し、もう放送は終わってるので、どうやったら観れるのかはしらない(ぉぃ*1

 

黒井戸殺し

 2015年のオリエント急行殺人事件に続く、三谷幸喜×アガサ・クリスティーの2作目。前作が素晴らしかったので、今回も期待してみたのだけど、期待通りの作品でした。

 野村萬斎さんのポアロは安定してるし、ワトソン役*2大泉洋さんとのやりとりが素晴らしいの一言。

 ミステリの古典である原作の素晴らしさと三谷さんの脚本のアレンジが光る。各キャラクターの立たせ方が素晴らしい。

 このシリーズは是非とも継続してやってほしいし、次は出来れば映画で観たい。

 

なんとなく書いておきたかったので、しれっと追記

 

めちゃ2イケてるッ! 22年間の感謝をこめて最後はみんなで空高く舞い上がれスペシャル!!

 事前に全部新撮と告知を打った上での最終回。ここまで最終回までいろいろなことをやっていて、最後は何をやってくれるんだろうとは思ってはいましたが、残念さをそのまま引き継いだ形の最終回でした。

 そもそも全部新撮といいつつ、出てくるのは過去にやっていたけれどコンプライアンスの関係で出来なくなった企画の数々。懐かしいといえば、確かに懐かしいのだけれど、同時に古さも感じる部分も数多い。

 しりとり侍の最後で、岡村さんが過去にコンプラで企画が終わったことに逆ギレしたときに、ああ、やっぱり終わるべくして終わるんだなと思いました。放送当時は子どものことを気にしてて、ちびっ子なんて発言がよくされてて微笑ましかった記憶がありますが、そんな発言はほとんど出てくることもなく。

 最後は何処かの森でめちゃイケメンバーが全員集まって岡村さんの結婚式という名の卒業式。これはさすがに泣けました。最近は見てなかったにしても、昔は見てましたからね。矢部さんが三中さんを含む新メンバーがいたから続けられたという箇所は特にグッときました。

 三中さんは最後まで登場しなかったわけですが、めちゃイケが芸能界に引き込んだ訳だから、最後くらいは花を持たせるべきだったんじゃないかとは思います。登場しても何も出来ないだろうし、別に好きでもないけど、それでもこちらの道に引き込んだ責任はあると思う。

 最後の1時間半くらいは良かったけど、そこだけかなぁ。こういう発言をしておいてなんだけど、すべて新撮というなら、最近の企画なり、新企画なりをやって、めちゃイケの維持みたいなのを見たかった部分はある。それが見れなかったのは残念至極。

 変に長く続きすぎた番組だとは思うけれど、後継番組を育てなかったフジテレビが悪いよなぁと改めて。後継番組が出来て、若者向けみたいな立ち位置をバトンタッチ出来ていれば、もうちょっと違う展開もあったのかなと思います。

 どちらにしても出演者の皆様、スタッフの皆様お疲れ様でした。面白い番組を見せていただいてありがとうございました。文句ばかりですいません。

*1:テレ朝動画で観れるようです http://www.tv-asahi.co.jp/douga/tanteimonogatari

*2:役名ではなく物語上の役割

ゲンロン8批判のあとがきのようなものとスマブラSPと何かの雑談_20180630

 ゲンロン8批判を書き終わりました。

 検証部分はだいたい知っていたので楽だったんですが、いろいろ言いたいことがありすぎて、そこをどーにかするのに難儀しました。

 どうせ任天堂ファンだからああいうことを書くんだろうと言われそうですが、半分正解です。ただ、ここまで積極的に動くかどうかはともかくとして、他の作品で同じことがあっても同じ意見にはなると思います。

 どういう作品が贔屓されてるかとか言い出したら、米国の人は米国の作品、英国の人は英国の作品を贔屓するのは当たり前なんですよね。いろんな人の贔屓を含めた主観的な評価を集めて、出来るだけ客観に近いものを提示するのが多くの賞の意義だと思います*1

 逆にいえば、主観の集まりである以上、偏ってない賞もまた無いわけで、賞ごとの偏りを踏まえた上でどの賞を何がとったかを楽しむべき。その上で賞自体を批判するのは有りですが、作品の評価を貶める方向に使うのは無しでしょう。

 そもそも東浩紀氏は本業の方でああいう批判をたびたび受けてて怒ってたことがあるはずなんですよ。それなのにああいう発言を残すのは本当に謎です。

 

 任天堂作品が褒められないと許せない人と思われるかもしれませんが、「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」も「スーパーマリオオデッセイ」も自分の評価は微妙です。

 ゼルダオープンワールドをよく知らないことや自分の評価軸が物語重視なのが理由ですが、「スーパーマリオオデッセイ」ははっきりと前作のスーパーマリオ3Dワールドの方が面白いと書いています。スーパーマリオ64スーパーマリオ3Dワールドの出来を考えれば、もっと面白くなったんじゃないかと思います。

 「Horizon Zero Dawn」は遊んでないのでわかりませんが、PUBGの方が面白いと語るのはわからんでもないです。あっちのが刺激的だし。だからといって、受賞を安直に否定するのはダメです。本当に面白いと思うなら、自分の言葉でちゃんとPUBGのが素晴らしいと主張しないといかんでしょう。

 

 読み直してて思ったんですが、黒瀬氏と井上氏は確実に任天堂作品が贔屓されてると印象付けをしようとしていたんですが、さやわか氏は黒瀬氏の発言のあとにまともなPUBG談義に戻そうとしているんですよね。ただ、そのあとに井上氏にぐいっと元の流れに引き戻されてて、巻き込まれ事故みたくなっていました。

 まともな評論や批評になり得るチャンスはあったにも関わらず、それをつかみ損ねて元の流れに戻ったのは残念としか言いようがない。

 こういう評論とかで、任天堂作品が安易に批判されたり、馬鹿にされたりとかはありがちなんですが、なぜ評価されてるかわからない、まともに批評できないなら、むしろ扱わないで欲しいといつも思います。

 

 

 スマブラSP。桜井さんのファミ通のコラムを読みました。

 開発期間の短さを心配していたのですが、今作では前作の開発チームと引き続き開発を行うようです。おそらく素材の流用などのたくさん行われるでしょうし、作品がコンパクトになったり、隅々まで手が届かないんじゃないかという心配は杞憂になりそうです。

 スマブラが続くとしても、全員集合はおそらくこれで最後だとも書かれていましたが、それはそうだろうとしか言えないです。今作ですら、正気ですか???と思うくらいのもんで、ありがたいです。欲は出てしまえばキリがないですが、無理のない範囲で楽しいものをつくってほしいです。

 ただ、そうなると次作は大幅なリストラなんてこともありそうですね。初代当初は人気があったけど、長らく新作が出てない作品とかもありますし、新旧あわせて居なくなるキャラがいそうな予感。ともあれ、すでに生産中止になっており、遠からず手に入りにくくなる可能性のあるWiiUが最後のスマブラにならなくてよかったと思いました。

 あと、桜井さんがそれなりに楽しんでスマブラをつくってると仰っておられたのも地味に嬉しかったです。

 

 今作から新しくダッシュファイターなんつーのが出来るらしいんですが、DXのモデル替えキャラとどこが違うんでしょ。

 前作で新しくモデル替え扱いで追加された2キャラはダッシュファイター扱いだけど、ドクターマリオとかファルコは別枠みたいで、そこんところはよくわからない。

 しかしガノンドロフ任天堂の看板作品のキャラなのにずーっとキャプテンファルコンのモデル替えキャラのままだったから、今作では改善されたらしくて本当に嬉しい。使うのが本当に楽しみだー。

 

 E3からNintendo Switchに配信されたフォートナイトに関して、PUBGと著作権侵害裁判してるから遊ぶのは微妙だよなぁと思ってたら、取り下げたらしい*2

 わーい、これで遠慮なく遊べるねー‼︎‼︎‼︎

 

 ミスiD*3を一昨年くらいから追いかけてるんですが、今年はいろいろ問題発言が多い人が選考委員になってしまって大変心配。

 ミスiDは受ける人にはギリギリな人が割といて、選考委員にはそういう人をじっくりと観察する心意気が必要だと思ってるんだが、あの人は対極だからなぁ。

 ギリギリな人をカウンセリングしてまた直させるというよりと、トドメを刺して取り返しのつかないことにしそうな予感すらする。

 twitterで眺めてる範囲でも同様のことを危惧していた人がいたけど、最悪の事態なんて嫌だよってのは、書いておきたい。

 

 いろいろあったので早い更新になりましたが、次の雑談は割と先になると思います。それでは。

*1:当たり前の話ですが、すべての賞に当てはまるものではありません。1人の主観的な評価で決まる賞もあります。それはその賞がどういう価値をユーザーに提供しようとしているかの違いだと思います。

*2:jp.automaton.am/articles/newsjp/20180628-71015/amp/

*3:講談社が主催しているミスコン

「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」がThe Game AwardsでGame of the Yearを受賞したのは不当だったのかを考えてみた

追記:2020年に読み直したら、考えがまとまってなくて読みづらすぎた。私が書きたいことを簡潔に書いてくれているAmazonレビューを見つけたので貼っておきます。

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R26OQ9ZMY6IJXO/ref=cm_cr_dp_d_rvw_btm?ie=UTF8&ASIN=B07DN7Z1YC#wasThisHelpful

 

 

 ゲンロン8は読んでうんざりしていたのだが、東浩紀氏が記載内容に間違いがあるなら正誤記載して送るようにと呟いていたので書いてみる。たぶん送らないけど、書く。

 

黒瀬:

 全世界のゲームメディアが選ぶ「The Game Awards」という賞がありますが、一七年度は『BOW』(引用者注:「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」)がGame of the Yearを獲った。そればかりか、『スーパーマリオオデッセイ』までノミネートされていて、さすがにおかしいと思いました。ゲームとしての新しさやクオリティで見れば、『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』や『Horizon Zero Dawn』のほうがあきらかに上です。

 同賞を選ぶメディア関係者は任天堂信者が多い。一七年は任天堂の年だという声がとにかく大きかった。でも実際のところ『BOW』はふつうのオープンワールドゲームですよ。

(中略)

井上:

 ここまで日本がダメだという話ばかりしてきたけど、欧米の評価の偏りも問題です。「Metacritic」というサイトがあって、映画やテレビ番組、ゲームなどの点数をつけていて、それは「メタスコア」と呼ばれています。メタスコアは、英語圏のさまざまなメディア、ゲームならばIGNや『Game Informer』などから点数を集め、特殊な計算式で一〇〇点満点換算して得られたものです。このメタスコアの点数は、評価基準として多くのゲーム企業も使っていたりします。

 ただ、これは主に英語圏のメディアからデータを集めるものなので、結局は英語圏のメディアで活躍しているライターの好みがモロに反映される点数になるわけです。そして彼らのほとんどは任天堂ゼルダが大好きです。アメリカでオールタイムベストを選ぶと、一位は必ず『ゼルダの伝説 時のオカリナ』です。新作が出たら大絶賛ですけど、ある意味それは自動的に決まっている。

 

 黒瀬氏と井上氏の該当箇所のみを引用しています。他の該当部分に関しても触れていますが、引用が長くなるのも良くない為、引用部分は最小にしています。気になる方は書籍を購入して読んでください*1

 

 最初に書いておくとこの発言の個々の要素に誤りはないです。

 欧米で「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が評価され、オールタイムベストに多く選ばれていることは確かですし、欧米のゲーム関係者にゼルダ任天堂のファンが一定数いることも事実でしょう。

 しかし、欧米で「ゼルダの伝説 時のオカリナ」が評価されていることや任天堂のファンが多いことと、それが「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」がThe Game Awardsを受賞したことにどれだけ因果関係があるかはわかりません。

 例え、欧米のメディア関係者に任天堂ファンが多かったとしても、任天堂ファン以外のメディア関係者も「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」を評価した可能性も残ります。因果関係があるのかないのか検証するのは不可能です。

 

 とはいえ、まともにゲームの情報を追っていて、海外の賞に関する情報を積極的に入手している人であれば、この発言に対して即座に鼻で笑うのは間違いないでしょう。

 何故なら「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」がGame of the Yearを受賞したのはThe Game Awardsだけではないからです。

 ゲーム開発者によって選ばれるGame Developers Choice Awardsと、ゲーム業界関係者によって選ばれるD.I.C.E. Awardsでも「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」はGame of the Yearを受賞しています*2

 ちなみにどちらの賞でも「スーパーマリオオデッセイ」は「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」と同じくGame of the Yearにノミネートされています。

 つまり両作品共にThe Game Awardsに関わっているメディア関係者だけではなく、ゲーム開発者、ゲーム業界関係者にも評価されていることがわかります。

 

 「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」がGame of the Yearを受賞したのは上記の3つの賞だけではありません。毎年のGame of the Yearをまとめているブログ*3によれば「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」は世界中で189ものGame of the Yearを受賞しています。他の作品を抑えて、断トツの1位です。

 国名をあげると米国、英国、ドイツ、スペイン、カナダ、南アフリカ共和国、オランダ、ブラジル、スウェーデンデンマーク、フランス、ポルトガル、インド、トルコ、スイス、日本、イタリア、ギリシャ、ベルギー、オーストラリア、メキシコ、アルゼンチン、ハンガリーオーストリアノルウェーポーランド、香港、スロバキア、コロンビア、チェコフィンランドポーランド

 見逃しもあるかもしれませんが、ざっと32ヵ国でGame of the Yearを受賞しているようです。英語圏だけではなく、世界中で評価されているようです。素晴らしいですね。

 

 賞により傾向などもあるでしょうし、選考委員に任天堂を好いている方が多い賞があるのも事実でしょう。当たり前ですが受賞できなかった賞もたくさんあります。ただ、これだけの賞を、これだけの国で受賞したのは果たして任天堂信者が多いからでしょうか。

 最初に挙げた三賞にしたところで任天堂がThe Game AwardsのGame of the Yearを受賞したのは前身のSpike Video Game Awardsから数えても初めて。Game Developers Choice Awardsを受賞したのは「メトロイドプライム」以来15年ぶり2度目。D.I.C.E. Awardsも受賞したのは「ゼルダの伝説 時のオカリナ」以来19年ぶり3度目*4

 いずれも決して多い数とはいえません。これらの賞をもっと受賞している会社もあります。いずれも任天堂が楽にとれる賞ではないことだけはは間違いないでしょう。

 

 これだけの国で、これだけの賞を受賞したのは、果たしてすべての国で任天堂信者が多かったからなのでしょうか。

 ゲーム開発者が選ぶ賞を受賞したのはゲーム開発者に任天堂信者が多かったからなのでしょうか。

 ゲーム業界人が選ぶ賞を受賞したのはゲーム業界人に任天堂信者が多かったからなのでしょうか。

 もしそれが本当であるのであれば、ゲーム開発者とゲーム業界人にはNintendo Switchにもうちょっとゲームを出していただきたい。Nintendo Switchは踏ん張りどころです。信者の皆様の応援がなければ厳しいです。

 全世界の任天堂信者にはもうちょっとWiiUを買って欲しかった。WiiUの販売台数なんて、どー考えたって全世界にこんだけの数の任天堂信者がいるだけの販売台数じゃねーじゃねぇか‼︎ 信者なら買えよ‼︎‼︎‼︎ こんなに信者なんざいるわけねーんだよ‼︎ ばーかばーか。

 

 ちなみに井上氏が英語圏のメディア関係者は任天堂ゼルダが大好きと発言されていますが、すでに記載した通り、メディア関係者が選ぶはずのThe Game Awardsにおいてゼルダの伝説シリーズがGame of the Yearを受賞したのは「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」が初めてです。

 「ゼルダの伝説 風のタクト」と「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」はノミネートを果たしていますが、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」を含め他の作品はノミネートすら果たしていません。

 英語圏で活躍しているライターのほとんどは任天堂ゼルダが大好き、新作が出れば大絶賛が自動的に決まっているというには、メディア関係者は割としょぼい成績をゼルダシリーズに与えてますよね。ツンデレなんでしょうか。

 

 念の為に書いておきますが、賞の受賞の多さが作品の絶対的な評価を決めるわけではないと思います。

 ありとあらゆる作品の評価は個人ごとにあるものであり、それを否定するものではありません。どれだけ賞を受賞しても遊んだ人がダメだと思うのであれば、その作品はその人にとってダメなのは当たり前のことですし、それを否定される謂れはありません。逆もまた真なりです。

 ただ、だからといってその個人の価値観によって、大した根拠もなく作品の栄誉を汚されるのはあってはならないとも思います*5

 

 今回の件で何より残念なのは、作品の評価を否定する際に作品の内容ではなく、賞レースのゴシップ的な周辺情報を用いて批判したことです。

 このような内容を発言するのであれば、真っ正面から「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」より「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」や「Horizon Zero Dawn」が優れてる、評価されるべきだと論破して欲しかった。

 仮に共同討議で出なかったとしても追加鼎談で触れることも出来たでしょうし、共同討議としてはルール違反になり得るかもしれませんが、後日、そこだけを黒瀬氏が書き下ろすことも可能だったはずでしょう。

 世間的な評価が高い作品に対して、自分が優れていると思う作品を批評して世間に価値を認めさせるのは批評の醍醐味ではないかと思います。その手段を放棄し、このような手段に出られたのは非常に残念です。

 

 今回の件に関しては、発言者だけではなく掲載した出版社にも疑問があります。

 そもそも「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」がたくさんの賞を受賞してるなんてこんな内容、ちょっと検索すればわかるもんなんですよ。また、その評価に賛同するか否かは別にしても「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」が発売時にGame of the Yearに選ばれてもおかしくないほどに絶賛されていたのは、日常的にゲームメディアに触れていた人なら知ってるはずのことです。

 そんな発言を何故ゲンロンは掲載してしまったのか。黒瀬氏の安易な発言に関して、校閲段階で検索して問題ないか、間違いないかを確認しようと思わなかったのか。そもそも今回の企画を始めたり、年表をつくるにあたって、ゲームメディアで情報収集をしてないのか。

 思想地図β1で誤植が100個とか、めちゃくちゃ多かったのを記憶してますが、現在のゲンロンでは校閲作業をまったくしてないなんてことはあるまいし、なんでこんな発言が残ったのかは本当に疑問です。

 もしかして炎上を狙ったんでしょうか。こんな発言を残しておいたら馬鹿な妊娠が顔真っ赤にして怒り出すわwwwあいつらアホだからwwwとか、そんな感じだったんでしょうか。怒りましたよ。満足ですか? こんなんで本が売れて満足なんですか。

 あの発言が掲載された本当の理由はわかりません。ただ、まともに下調べをして、まともに作品に真摯に向き合う気持ちがあれば、あんな発言が載ることはないと思います。任天堂もそうですが、何よりThe Game Awardsへの侮辱でしょう。

 手抜きか、校閲の不足か、炎上狙いか、原因がどれかは知りません。どれにしたところで残念です。

 

 話が変な方向に向きました。内容をまとめると今回のことでどうかと思っているのは以下の3点。

1.不用意に作品と賞の評価を貶める発言を何故掲載したのか

2.黒瀬氏の発言内容に関して、どこまで信用できるかの調査、検証は行わなかったのか

3.「ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド」、「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」、「Horizon Zero Dawn」の直接的な作品評に差し替えることを何故しなかったのか

 念の為に書いておきますが、ほかの人と違っていままでのゲーム評論の流れを汲んでないとか、年表にあれが抜けてるとか、そういう話はしてません。というか、知識がないのでそんな話はできません。批評はどういう切り口で語ろうが自由であるし、切り口が新しければ新しいほどに価値があるとも思います。

 ただ、極めて事実誤認に近い情報を載せたり、気にくわない結果を出した賞を安易に侮辱するのはいけないことだと思います。

 今回は黒瀬氏が極めて間違いに近い発言をしたのにも関わらず、それがそのままゲンロン8に載ってしまったのは何故でしょうかという記事を書きました。クソ長くなってしまい、申し訳ありません。

 終わりっ。

*1:他の該当部分に関してはこちらのブログで引用されていました→http://hamatsu.hatenablog.com/entry/2018/06/18/022530

*2:http://news.denfaminicogamer.jp/news/180322b

*3:https://gotypicks.blogspot.com/2017/09/2017-game-of-year.html

*4:もう1作品はレア社開発の「ゴールデンアイ 007

*5:付記しておくと、黒瀬氏の文脈で賞自体を批判するならありだと思います。賞は批判されても次の回で挽回する可能性が残されてますから。もちろんその場合、自分の好きな作品、認める作品が受賞した回も同じように否定するのが筋です。