Nintendo Switchが何故成功したのかを考えてみる

 本日はNintendo Switch発売2周年です。発売前は果たして成功するのかと心配してはいましたが、無事に発売前には予想できない程の成功を収めることが出来ました*1

 折角の2周年なので、Nintendo Switchが何故成功したのかを自分なりに考えてみます。

 

 Nintendo Switchが何故成功したかを考えるポイントは発売時期だと思います。

 これまで各社の新型ハードは大体同じ時期に出ていました。各世代の寿命が7年と言われる中で、同世代のハードの発売時期は離れても2年。3年以上離れることはまずありませんでした。

 そんな中でNintendo Switchの発売は2017年。PS4Xbox oneの発売が2013年*2なので、2つのハードが発売してから4年後の発売になります。

 WiiUが失敗したからこそ、この時期の発売になった訳ですが、ハードの周期でいえば2017年はすごく微妙な時期。PS4Xbox oneの第8世代に入れるには遅すぎる。遠からず発売されるであろうPS5などの第9世代に含めるには早すぎます。

 上位互換機であるPS4 ProやXbox one Xが発売されるくらいにちょうど真ん中。言ってみれば8.5世代とも言える時期に発売されたのがNintendo Switchでした。

 

 そんな変な時期に発売されたNintendo Switchですが、変な時期に発売したからこその利点を受けることが出来ました。それは他のハードと比較されにくい状況をつくり出せたことです。

 すでに書いた通りNintendo Switchは8.5世代というくらいの微妙な時期に発売されました。PS4Xbox oneの発売から4年が経ち、すでに多くの人に行き渡っている。

 そんな中でPS4Xbox oneと比較することに意味はない。PS4の方が性能が上だからNintendo Switchは売れない*3なんて話を展開しても、多くの人はPS4はすでに持ってる。

 だからPS4を(もう1台)買うという選択肢自体が発生しない。選択肢としてあるのは、Nintendo Switchを買うか否かだけ*4

 

 とは言っても、PS4は持っていてもXbox oneを持ってない人はたくさんいるわけで、絶対に比較されないかと言えばそんなことはない。持っていないハードとは当たり前に比較されます。

 ただ、その場合でも真っ向勝負の比較ではなく、ハードと専売ソフト*5のみでの比較になる。PS4Xbox oneで共通して発売されるソフトはすでに持っているハードで遊べるわけだから比較対象にはならない。

 Nintendo SwitchにはPS4Xbox oneを持ってる人が2台目のゲーム機として購入する際の利点がたくさんある。本体が小さく省スペースなこと、携帯機でもある為に外でも遊べること、起動が手軽で空いた時間にすぐ遊べること、Nintendo Switchでしか遊べない作品がたくさんあること。

 どのハードも持ってない状態ではPS4Xbox oneの方が魅力的でも、そのハードでしか遊べない作品の勝負であればNintendo Switchにも勝機はある。

 

 どんな優れたハードが出来て、どんなに優れたソフトが出ても失敗するときは失敗するのは世の常です。

 もちろんNintendo Switchが成功したのはNintendo Switchが魅力的なハードであったことや、1年目に素晴らしいソフトが継続して発売されたことが大きな理由であることは間違いないと思います。

 ただ、それだけでここまで成功したのかといえば、他の理由もあったんじゃないかなぁと思って書いてみました。

 たらればになりますが、Wiiの次にWiiUではなく、Nintendo Switchを出していたらここまで成功したのか。WiiUよりも成功はしていたかもしれませんが、ソフトの発売が伴っていなかったことを考えると、ここまで成功することはなかったと思います。

 

 上に書いたNintendo Switchが成功した理由の中で、ひとつだけ書いていないけれど重要な条件があります。それはPS4が空前の大ヒットになったことです。

 PS4がここまで売れてなければこの説はまったく通用しません。この説が正しいのだとすればPS4がここまで売れたからこそ隙間が生まれ、Nintendo Switchが売れたんだと思います。

 

 ではこれからはどうなるのか。Nintendo Switchは成功を続けることが出来るのか。

 正直、いまの勢いをさらに加速させるのは難しいんじゃないかと思います。理由は単純にPS5やMicrosoftの次世代機が1、2年のうちに発売される可能性が高いから。より性能が高くて、なおかつ新しくて、おそらく人気のハードがあるならば、そちらに目がいくのは当たり前でしょう。

 ではNintendo Switchに勝ち目がないかといえば、そんなことはない。値段は発売されるであろう新機種よりも間違いなく安いでしょうし、Nintendo Switch独自の魅力もたくさんあります。そこまでの魅力がなければ2年間も継続して売れないでしょう。

 勢いが持続するかのすべての条件はどんなソフトが発売されるか。いまのところは出来すぎなくらいで、この流れを続けることが出来れば結果は自ずとついてくると思います。

 上手くいけばNintendo Switchの販売台数はWiiを超えることは無理でも、最終的に任天堂史上2番目に多く販売された据置機になる可能性は高いんじゃないでしょうか。

 

 昔はゲームハードは一強多弱と言われましたが、性質が似たハードが複数出てくれば真っ向勝負で喰い合うのは当たり前です。性質が異なれば共存は可。さらに発売時期をずらせば比較は難しくなり*6、ハード独自の性質を見てもらえる。

 Nintendo Switchの発売時期がハードの発売周期からズレたことで、そんな状況がゲーム業界の中で出来れば嬉しいなぁと思います。無下に比較されて叩かれるのはもうこりごりです。あえてぶつけあったハードが潰し合うのは仕方ないですが、任天堂は別路線を進んでいるのでこのまま独自の道を行って欲しい。

 任天堂が好きな身からすれば、Nintendo Switchが成功し、PS4も成功している現状は割と理想の状況だったりする。Microsoft苦戦してるけど、それなりに売れてるし。次世代機がどうなるかはわからないけれど、出来ればお互いの良さを補完しあって、このまま相互に発展していければいいなぁと本当に思います。

*1:何を持って成功というかは難しい話ですが、WiiUの赤字から無事に黒字に転換したことや、発売前には予想できない程に売れていることから考えれば、十分に成功と言えると思います。

*2:日本国内は2014年発売だが、欧米だと2013年なのでここでは2013年と記載しています。

*3:そういうPS4との比較に持ち込もうとする人もいましたが、すでに多くの人がPS4を持っているという前提が抜けている為、何処か芯を捉えていない話になっていました。

*4:同時期にPS4 ProやXbox one Xが出たじゃないかなんて話も出てきそうですが、片や完全な新機種、片や性能が高いが値段も高い好事家向けの上位機種なのでそもそも比較にならないと思います。

*5:そのハードのみで発売されるソフトのこと。ハードメーカーであるSONY任天堂が発売するほとんどのソフトが専売ソフトに当たる。

*6:逆の例を出すと、去年はNintendo SwitchPS4の販売台数を超えた国もあったようですが、それでもPS4が落ち目とか言われる話は聞きません。そもそも発売2年目と、6年目のハードを比較すること自体がおかしい訳ですが、いい状況が出来てるんだなぁと思います。