ファイアーエムブレム 風花雪月をクリアしました。今年の年明けから始めたから、都合3ヶ月半。本当に長かった。
総プレイ時間は250時間。全部のルートを攻略しました。1周目は1/4くらいやってからやり直してるのと、戦闘時のアニメを表示しない設定にしてるので、合計すれば普通にプレイしてる人よりも若干早く終わってるかもしれない。
モードはすべてカジュアルだけど、だいたい誰かが死んだらリセットしてるので*1ほぼほぼクラシックと同じ。難易度は基本的にはノーマルで、最後の一周だけはハードにした。
2周目以降は共通部分がかなりあるのでつらい部分も多かったけど、それでも遊び続けたいと思わせる分だけおもしろかった。いやー、終わったー。
FE*2は覚醒とifをやっただけだけど、風花雪月がいちばん上手くまとまっている。評価が高いのも納得。
ifは透魔王国(3周目)の途中で挫折したので、きっちり4周*3を遊ばせただけでも作品のすごさがわかる*4。
もともとSRPGとギャルゲ的なアドベンチャーを混ぜ合わせた作風だったのが、学園の要素を盛り込んで、SRPG部分とアドベンチャー部分を明確に分けることで完成形が出来た印象が強い。
正直、細かいところでは手が届いていない部分はたくさんあるけど、大枠のシステムはそのままで次回作を作れば、それなりに人気を維持することが出来るんじゃなかろうか。
ただ、そう考えていくと大きな大きな問題が1点あって、もともとFEの開発を行っていたのはインテリジェントシステムズなんだけど、風花雪月の開発の中心はコーエーテクモなんだよね。
つまり今までと開発体制が違う。風花雪月で何処までをコーエーテクモが担当したのかはわからないけど、次作で同じクオリティを維持できるかは微妙なんじゃないか。
そもそもコーエーテクモにシミュレーションゲームのシブサワコウ、アドベンチャーゲームのルビーパーティと、各分野のスペシャリストがいたからこそ風花雪月のクオリティになった可能性が高い。
次回作でインテリジェントシステムズが担当してクオリティが維持できるのか。これくらいバランスよくおもしろい作品が出来るのか。コーエーテクモが担当したことでかなりハードルが上がってしまった気はする。
ぶっちゃけ完全なユーザー視点で考えれば、基本的な骨組みを風花雪月にして、SRPGの古臭い部分を根本から練り直した新作をコーエーテクモが出してくれるのであれば、その作品はすごくやりたい。
風花雪月は確かに上手く出来ていたし、遊びやすかったんだけど、それでも旧来のFEというか、SRPGが持っている面倒くささみたいなのは解消できていない。
この面倒くささは最早永年の歴史があるFEで解消するのは無理で、その魂を継承した完全新作の方が上手くいきやすいのではないか。
任天堂とインテリジェントシステムズには悪いけど、ユーザーとしてはおもしろいものが遊べればそれでいいので、コーエーテクモからそういう作品が出ることを期待しているし、インテリジェントシステムズにはこの語りを後悔させるような新作を期待したい。
総論としてそんな感じで、ここからはネタバレあり感想。
ルートのクリア順は教団→王国→煤闇→帝国→同盟*5。某攻略サイトのおすすめの攻略順に則った。
教団ルートをどのタイミングでやるべきかは議論がありそうだけど、全部のルートをやるなら基本的にはこの順番がオススメだと思う。変えるなら教団を同盟の前にプレイするとかかな。
いちばん好きだったのは、同盟ルート。風花雪月のほぼすべての謎が明かされるのが同盟ルートで、仮に同盟ルートを攻略せずに終わった場合、作品に疑問を残して終わることになる。それくらい他で解明されてない謎が解き明かされる。
話としても丁寧だし、エンディングの迎え方も納得で、いちばん満足度が高かった。最後に遊んだので飽きている部分がかなりあったんだけど、謎がどんどん明かされていくから新鮮に楽しめた。
風花雪月を遊んだ人なら絶対に同盟ルートはクリアしておくべき。そう断言できる。
では、他のルートが悪かったかってーと、そういうことではなくて、要するにやりたいことが違う。
これ以上に書くとガチなネタバレになるので書かないけど、各ルートというか、各主人公でやりたいことが違うし、主人公ごとに違う方向の物語が見れる。
遊ぶ人によって、好みは違うだろうから、他のルートの方が好きだったなんて人もたくさんいるんじゃなかろうか。実際にそれもわかる。王国ルートなんかは好きな女性が多そう。
強いていえば、帝国ルートはあそこで終わらずにもっと先まで描いて欲しかったかなぁ。他では描かれているルートもあって、明らかに必要な部分であるのに、あそこで終わるのは違うかとは思った。
あと、煤闇はさすがに短すぎたなぁ。他の特典もあるし、新しいキャラクターと兵種が追加されるとはいえ、あの値段のDLCであの分量はさすがに短すぎる。
煤闇の内容をちゃんと楽しむには、煤闇が終わってから本編をもう一回クリアして、追加キャラクターの支援会話を聞く必要がある。
煤闇発売前に全部のルートをクリアしてた人に、煤闇の為にもう一周やれってのは酷だし、煤闇だけでほぼ完結するようにすべきだった。
本編がもっともっと短ければ別だけど、長大すぎる本編発売の半年後に出すDLCとしては求めるものがかなり酷。
だからこそDLC本編だけでも十分なボリュームにして満足させて欲しかった。
SRPGとしては前半部分が共通で、後半部分も共通部分がある程度あることを考えると、これだけ各ルートが楽しめているのは、それだけ物語が優れているということだと思う。
物語が優れていなければ、4周も出来ずに絶対に途中で止めていたと断言できる。ただでさえ負担が大きいからFEはやりたくないとプレイ前は思っていたくらいなのに最後まで遊んだのは、間違いなく物語が支えたから。
物語と双璧を為して素晴らしいと思ったのはキャラクター。各クラスに8人のキャラクターがいて、教団にもいろんなキャラがいるのに、最後までプレイして悪印象で終わったキャラがいない。
第一印象でいえば苦手な感じのキャラとか、嫌いになりそうなキャラはいるのだけど、そのいずれもが支援会話で行動原理を説明され、考えや目的が理解できるので全員が最後は好きになる。
これだけの人数のキャラクターがいて、それが達成されているのは素晴らしい。物語の素晴らしさを支えたのは間違いなくキャラクターの良さだと思う。
各ルートの大きい物語があって、その隙間をキャラクターの魅力が埋めて、下支えすることで、風花雪月という作品の魅力が爆発した印象がある。本当に素晴らしい作品だった。
最後の最後に欠点をいうと、やっぱり決定的に長すぎることだよなぁ。ルート分岐にしたことで出来ることは増えたんだけど、さすがに通して遊ぶのに短く見積もって250時間は掛かりすぎ。
前半が終わった段階でセーブなりなんなりして後半を連続して遊べるとか、2周目はレベルを簡単に上げれるとか、そういうのが欲しかった。
そういう2周目で楽をするシステムは今もあることはあるんだけど、選択肢が増やしやすくなるだけで、根本的な時間短縮にはなっていない。前半の共通部分だけでも時間短縮する何かが欲しかった。
明らかに出来がいいし、おもしろい作品ではあるんだけど、4周も遊んだ身からするとオススメしづらい。
物語は上手く出来てるし、キャラクターも魅力的だけど、SRPGとして共通する部分がかなり多くあって、レベル上げも頑張らないといけない。
割り切って、どこかのルートを1つだけとかならまだ薦めやすいけど、手を出したら基本的には全部やりたい人にはオススメしません。さすがにつらい。
SRPGやFEがもともと好きで、いまは時間が有り余ってるとか、GWでがっつり遊びたいなんて人にはいいんじゃないかなぁ。ただ、本気で全部遊ぼうとすると、ガチで時間がなくなるので、それだけはご注意を。
コーエーテクモさんでも、インテリジェントシステムズさんでもいいけど、もし次回作を出されることがあれば、クオリティは維持した上で、もうちょっと短い時間で楽しめるものをよろしくお願いします。