エブリデイ 1-2-Switch!が発売される理由から、任天堂の強みを考えてみた。

 エブリデイ 1-2-Switch!が発売されました。

 1-2-Switchはロンチで出して大して話題にもならなかったし、売れもしなかったのに……スマブラ参戦したarmsならまだわかるけど…1-2-Switchの続編を出す理由は一体………

 と思ってたんですが、スマホを使って最大100人で遊べると聞いて腑に落ちた。任天堂は時々こういう半分実験みたいなソフトを出す。

 おそらく任天堂もエブリデイ1-2-Switch!が馬鹿売れするとは微塵も思っていない。少しYoutuber界隈で話題になって、それなりに売れればいいなぁと考えているくらいだろう。

 では何故こんなソフトを出すのかといえば、将来への種蒔きと、当たればデカいのを任天堂がわかっているから。

 

 昔、VRブームが起こりたての初代PS VRが発売されたくらいのとき、「任天堂は新しい技術で面白い作品を作るのが得意なんだから、VRに参入してくれ」なんて意見を見たことがある。

 実際、DSやWiiで結果を出しているし、最近でもリングフィットアドベンチャーを1,500万本販売しており、特殊なコントローラや入力装置を使ったソフトを売るのは比較的得意と言えるかもしれない。

 では何故任天堂が一般的なゲームパッドを使わないゲームを売るのが得意なのかといえば、定期的にそういうソフトを出し続けているから。

 Nintendo Switchが発売してからも、1-2-SwitchNintendo Laboなどを出しているし、売れない変なソフトを出してると馬鹿にされることもあるが、そういうソフトを出し続け、ヒットさせるノウハウを貯めたからこそ、現在がある。

 

 いや、そんなソフトを出すのであれば、マリオやゼルダの新作を1本でも多く出した方がいいのではないかと言う人もいるかもしれない。

 それもある種に正論ではあるのだけど、マリオもゼルダも新作を出すのは時間が掛かる。絶対に当てないといけないIPだから気軽には作れない。

 特殊機能を使った新しい作品はアイディアで勝負できるから、そんなにお金が掛からない。それでいて当たればデカい。Wii Sportsとかリングフィットアドベンチャーくらいのヒットを出せば、すべての損を取り返せる。

 

 とは言っても売れないソフトを乱発しても仕方ないだろう。もっとゲーマーにウケる、安定して売れるソフトを出した方がいいという意見もあるだろう。

 だが、任天堂が出したそういうソフトが売れない訳ではない。1-2-Switchは全世界で200万本売れているし、Nintendo Labo Toy-Con 01: Variety Kitも、ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミングも100万本くらい売れている。

 つまり大ヒットした化け物ソフトは別格にしても、任天堂が出した特殊機能を使った作品はそれなりに売れるのである。

 私はこれが任天堂最大の強みだと思っている。挑戦的で、変なソフトを出したとしても、買ってくれるユーザーが一定数いる。遊んで面白ければ広げてくれるユーザーがいる。

 そういうユーザーがいるからこそ、いろんな博打が打てるし、他のメーカーでは生み出せない化け物作品を出すことが出来る。

 

 前から書いてみたかった、どうして任天堂は特殊機能を使った変なソフトを出し続けるのかについての自分なりの回答を書いてみました。

 これだけ売れるのは過去の作品で面白い作品もあるとの信頼を作った任天堂だからこそで、信頼を形成出来ていない他のメーカーではなし得ない。

 そうは言ってもエブリデイ 1-2-Switch!が売れたのかといえば売れてないです。任天堂の新しい作品に手を出すユーザーでも、さすがに売れなかった作品の続編には手を出さない。

 任天堂の変なソフトも買うとは言っても、ちゃんと緊張感があり、ダメなソフトは買わないユーザーが多くいるからこそ、任天堂の現在があるのでしょう。

 そういう風な緊張感がある関係がある限り、任天堂は変なソフトを出し、ヒットを続けるのだろうなぁと思います。