ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダムをクリアしました。
いやはや圧倒的な物量、遊びを増幅させる仕掛けに感服。GOTYを席巻した前作を確実に超える自由度を持ちながら、前作では薄かった物語を改善し、物語の面でも十分に楽しめる作品を出してきた。
続編で、物語が継続と聞いて、大丈夫なのか、薄くならないのかと思っていたけれど、その心配は杞憂でした。むしろギミックが変わるだけであそこまでゲームの感じ方が変わるのかと驚きました。
但し、前作で感じた面倒くささも増しているし、導入部分のとっつきにくさはマジで心を折れるかと思ったので、ブレスオブザワイルドがダメな人には確実にダメな作品ではある。
ブレスオブザワイルドと同じように特長と欠点を持ち合わせている作品なので、ブレスオブザワイルドがダメだった人にはオススメしにくいですが、ブレスオブザワイルドが大好きな人はハマると思います。
ティアーズオブザキングダムは言うまでもなく傑作なのだけど、ネットを見ていると意外な程に感想が少なかったりするのだが、その原因は変わらなさにあると思っている。
能力は変わり、世界の見え方も変わったのだけど、ゲームの根本は何も変わっていない。能力が変わっただけで、大きく変わったかといえば変わってない。
変わっていないのだけど、もともとがGOTYを席巻する程の傑作だったものに、掛け算するものを大きい数字にするだけで段違いの面白さが生まれてしまった。
今回の作品は一見すると何も変わらないように見えるけれど、実際に遊んでみると大きく変わる。
ティアーズオブザキングダムのすごさは、リンクの能力を変えるだけで同じ世界でも全然違う遊びにしてしまったことだろう。
ブレスオブザワイルドの世界がティアーズオブザキングダムでどれだけ変わったかといえば、そこまで変わっていない。
もちろん世界の状況は変わっているし、空中も地底も増えているので変わってもいる。ただ、根本は同じ世界だし、主に冒険するのは地上世界なので、遊んでる感覚がそこまで変わることはない。
それでもブレスオブザワイルド以上に楽しいと感じるのは、新しい能力が世界を新しいものに変えるから。ティアーズオブザキングダムで得た新しい能力が世界を切り拓いていく。
ここまでは新しい能力と世界の変化について書いたが、物語も十分に密度を増している。
こちらもギミックとしては前作とそこまで変わらないのだけど、ギミックを複雑に、丁寧に練り上げることで重厚な物語が生み出されている。
ティアーズオブザキングダムはやることが多いし、すべての物語を回収するのは大変なのだけども、どうかすべての物語を紡いでほしい。
すべてを観た後に繋がるラストは間違いなく心に残るものになっている。是非とも物語も堪能してほしい。
じゃあ、ティアーズオブザキングダムに欠点は無いのかといえば、ある。
とりあえず序盤がキツすぎる。碌な能力も無い中で空島を冒険するのはマジで心が折れるかと思ったし、パラセールを手に入れる時期も遅すぎる。
ティアーズオブザキングダムを遊んだ人の中で序盤で心が折れた人が相当数いるんじゃないかと思うし、かくいう自分もその後が面白いとわかっていても、序盤の空島攻略には腰が引ける。
あと賢者も微妙。仲間にすると常に周りにいるから目障りだし、青緑の亡霊のような見た目なので不気味。シドとルージュは基本後ろにいるのでいいのだけど、チューリとユン坊は目障りなので常時オフにしてた。
賢者の能力の使い方も微妙で戦闘中だと暴発することが多かった。コントローラのボタンの数が足りなかったんだろうけど、もう少しどうにかならなかったのか。
基本的には楽しんだのだけど、この2点だけはどうにもならなかった。まぁ、前者は気合いで乗り越えて、後者はオフにすればいいので問題はない。
ブレスオブザワイルドをある程度遊んだ上で、同じ世界を舞台にした続編を出すと言われて、ここまで堪能できる作品を遊べるとは思わなかった。
続編であるが故にティアーズオブザキングダムがGOTYをとれるかはわからないけど、間違いなくブレスオブザワイルド以上の傑作だし、遊ぶべき作品なのは間違いない。
ブレスオブザワイルドとティアーズオブザキングダムの関係で面白いのは、ティアキンを遊んだ現在にブレワイを遊んでも楽しめそうだということだったりする。
同じ世界で違う物語を楽しむなんてのは龍が如くとジャッジアイズでもやっていることなのだが、ギミックが変わることでここまで面白さが変わるとは思わなかった。
人を選ぶ作品であることは変わらず事実ではありますが、ハマる人は間違いなくハマるし、ゲーム人生のひとつの金字塔になることは間違い無いので興味を持った方は是非。