マリオの映画が何故成功できたのかをぼんやりと考えてみた

 マリオの映画が成功した理由をぼんやりと考えてみたのだけど、他の原作あり作品と違って、原作由来の縛りがほとんどなかったのが要因じゃないかなぁ。

 

 例えば、FFVIIを映画化するとすれば、パーティキャラはもちろん、セフィロスやタークスの面々は出さなければならない。最初から最後までの重要な場面がすべて無ければいけない。あの場面は絶対原作のままじゃなければダメ、あの改変は許されない……

 等々、ファンからの要望が数限りなくあることは想像に難くない。それこそエアリスは原作通りに亡くならせるべき、いや折角だから最後まで生き残ったifが観たいとか、相反する要望すら求められる。

 その中で映像作品としての説得力を持たせて、2時間の作品として成立させるのなんて至難の業なのは間違いない。そりゃ、安易と言われようと漫画原作付きの邦画がコスプレ実写化に手を出すのも理解できる。*1

 

 対して、マリオの映画に求められるものは数少ない。マリオがキノコ王国で冒険に出掛けて、ピーチ姫を助ける。求められるものはそれくらい。マリオシリーズは歴史が長いこともあって作風が幅広いし、割と無茶な作品でも受け入れられる度量がある。

 新たなキャラクターも入れやすいし、世界観もかなり自由にできる。スーパーマリオオデッセイで現実を模した世界までやったので、やりたい放題やっても怒られにくい。

 

 それこそ今回の映画のピーチ姫とクッパは、他の作品なら怒られるんじゃないかというくらいにゲームとキャラが違ってたりする。まだピーチ姫は片鱗を見たことがある気がするけど、クッパは今までのイメージをぶち壊すレベルでキャラが違う。

 それくらい懐が深い作品なので、マリオを映画にするにあたって、映画として楽しませる為の要素を入れる隙間がたくさん存在する。映画を作る側も、映画として成立させやすいのが想像できる。*2

 

 もちろん任天堂側ががっつり入って、宮本茂さんも参加したのも成功の理由なのは間違いないだろうけど、どれだけ万全の体制を敷いても失敗した作品があることを考えると、成功したというか、成功しやすかった原因はこの辺りなんじゃないかなぁ。

 そう考えると、任天堂のIPは割と成功しそうな作品が多そうな気もする。ゼノブレイドみたいながっつり物語が決まっている作品もあるけど、ゼルダみたいに特定の作品に限らなければ自由度が高い作品もある。

 今後、どれだけIP展開が進んでいくかはわからないけれど、ちゃんと肝を抑えれば、マリオ程の成功は難しくても、スマッシュヒットを続ける可能性はあるかもしれない。

*1:理解できるだけで、そうあるべきだとは思わないです。念の為。出来ることなら、監督の色を出しつつ、原作を活かした作品が理想です。だけど、原作ファンの無茶な要望を見てると、コスプレ実写化がいろんな意味で安牌なのもわかってしまう。

*2:じゃあなんで昔の実写は失敗したんだと言われそうだけど、まだ作品数が出ていなくて懐が広くなってなかったのと、マリオの肝がまだよくわかってなかったからじゃないかなぁ