Nintendo Switchがここまで成功した理由を考えてみる。発売してから1年間くらいは何度か似たような記事を書いていたけれど、もうそろそろ次世代機の足音が聞こえてくるので改めて書いてみる。
1.ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドが評価されたから
Nintendo Switchがここまで成功した最大の要因は『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』であることは間違いないだろう。
Wii、WiiUと癖のあるハードを発売しコアゲーマーからそっぽを向かれていた任天堂が、Nintendo Switchはコアゲーマーも楽しめるハードであることを知らしめたのは大きい。
コアゲーマーから評価されたことで、ソフトメーカーも完全にスルーしていいハードではない、他のハードと似たようなゲームも展開できるハードなのだと認識した。
もちろん他の作品の影響もあるとは思うけれど、コアゲーマーに対する任天堂のイメージを変えたとの意味では『ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド』の存在は大きかったのではないだろうか。
2.Nintendo Switch立ち上げを最善以上で迎えることが出来たから
どれだけすごいハードが出来たとしても、ソフトが無ければ間違いなく失速する。Nintendo Switchはロンチからの展開も徹底していた。
1年目にゼルダ、マリカ、スプラ、マリオ、ゼノブレイド2とキラーソフトを連発し、ありとあらゆるゲーマーが遊べる作品が揃っている状況を1年目で作り出した。
何故こんなことが可能だったのかといえば、WiiUの最後の1年を捨ててNintendo Switchのソフト開発に集中したから。
当時のソフト発売スケジュールを確認すると、1年目でゲーマーからの評価をつかみ、ライト層やファミリー層の評価は2年目以降に獲得する戦略が垣間見える。
3.WiiUの作品をNintendo Switchに移植することが出来たから
いくらNintendo Switchのロンチからの1年を最善以上で迎えたとしても、そこから先にソフトが出なければ安定した状態を続けることは出来ない。
Nintendo Switchのソフト供給の安定に一役買ったのがWiiUのソフト。WiiUの作品を定期的に移植することで、安定して任天堂作品が出続ける状況をつくった。
ここでのポイントはあくまで移植だから開発の手間が掛からないこと。新しい要素を多少は足すにしても、元が完成している作品だから、新作よりも少ない手間で発売することができる。
これで最大の効果を生み出したのがマリオカート8DX。この作品はWiiUの移植作品にも関わらず、2年目以降も売れに売れ続け、現在Nintendo Switch最大のヒットとなる4800万本もの異次元のヒットを達成している。
4.ライバルがいない状況で発売できたから
外部要因でいえば他社ハードと発売時期をずらした為に、他社ハードと比較されない状況で発売できたことは大きい。
Nintendo Switch発売当時はPS4やXbox oneの発売から3年近く経っており、すでにある程度行き渡った状況になっていた。
その為、比較対象になるハードは存在せず*1、Nintendo Switchの魅力だけで購入を判断してもらえる状況にあった。
5.据置機、携帯機兼用ハードであったから
ハードの差別化の影響も大きかった。その中でも据置機と携帯機の兼用であったことはアピールポイントとして大きかった。
Nintendo SwitchはPS4やXbox oneよりも性能が低い上に後発である為、何か他の理由が無いと買ってもらえない。
そんな中で他ハードとの差別化ポイントとして、比較的安価であることと、携帯機としても遊べることはかなりの評価点になったのではないか。
また携帯機でもあるが故に2台目需要が生まれ、据置機には無い需要を喚起することが出来ている。Nintendo Switchのハード販売台数が増え続けたことに2台目需要の影響は確実にあるだろう。
6.2人プレイが最初から出来るハードであった
他社ハードとの差別化では、本体にコントローラーが2つ付いたことも大きい。
これまではパーティゲームを出しても、複数人で遊ぶ為には追加でコントローラーが必要となり、公式だと1万円程度するものを買い足す必要があった。
Nintendo Switchでコントローラーを2つ付けたことで、パーティゲームを遊ぶ為のハードルをかなり下げ、ハードの立ち位置を明確にすることが出来た。
ここまで普及した現在ではあまり関係がなくなってる気がしなくもないが、それでも家族で気軽に複数人プレイが出来るのは大きいだろう。
総じて前に書いたものが中心だけど、Nintendo Switchが成功した理由で思い至るものを書いてみた。序盤のスタートダッシュが上手くいったのと、WiiUが失敗を上手く利用できたこと、他社のハードとの差別化が出来たのが勝因な気がする。
あらためて思うけど、Nintendo Switchは発売当時の状況を上手く分析しつつ、どうやって手に取ってもらえるかを考えた結果がものすごく上手くはまったハードだった。*2
WiiUの失敗も含めての結果であるので、おそらく任天堂の歴史の中でもこれ以上の結果を出すハードが今後生まれる可能性は低いのではないだろうか。
Nintendo Switchのまとめ記事も書き終わったので、次は次世代機がどうなるか。
発売はおそらく来年の年末から再来年の春なので、それまでには次世代機の展望記事を書きたいと思います。いつになるかはわかりませんが、書き上げた日には読んでいただけると幸いです。