ポケモンバイオレットをクリアしました。
本格的なオープンワールドを採用した初めてのポケモン本編新作だった訳ですが、個人的には微妙でした。
いい部分もたくさんあるし、ポケモンの底力で十分面白いのですけども、ポケモンがあえてオープンワールドを選択した理由が見出せない、むしろ選択がマイナスになっているのではないかと思ってしまいました。
言葉を選ばずにいうと、オープンワールドにしたにも関わらず、オープンワールドの強みや良さが出ていない、むしろほとんど消えている作品だと思います。
オープンワールドは広い世界をシームレスに冒険できる、最初から世界の何処にでも行ける。それがオープンワールドの売りのはずでした。
ポケモン本編で採用されているのは古き良きコマンド選択式RPGです。JRPGと言ってもいいかもしれません。そのシステムはバトルを重ねて、レベルを上げて、物語を進めていく。
このレベルを上げて物語を進めていくJRPGのシステムとオープンワールドは相性が悪い。片やレベルに応じたリニアな物語が目指され、片や何処にでも行ける自由な物語が志向される。
ポケモンはJRPGなので味方にも敵にもレベルが採用されている。味方のポケモンがレベル10であれば、レベル30のポケモンには基本的に勝てない。ましてやレベル50のポケモンなんて絶対無理。
そんな状態で何処にでも行けるオープンワールドをやろうと思っても絶対に何処かに無理が出るし、無理が出ている。
いろんな方法で誤魔化そうとしているのはわかるけど、レベルが高いポケモンばかりで行きたいところに行けないも体験したし、逆にジムなどのトレーナーが弱くてがっかりも体験した。
また、これもオープンワールドでありがちだけど、ライドポケモンの性能で行けるところ、行けないところを作ってたのも個人的には残念だった。
もちろんいいところもある。人間とポケモンが共に過ごす世界、ポケモンが自然に生きている世界はこれまで以上に描けていたのは間違いない。
そういう世界を描けたのは何よりも価値があるだろうし、ポケモンが好きな人からすれば欠点がたくさんあるオープンワールドであっても、こういう作品が好きとなるかもしれない。
事実、アクションを取り入れて、上手くオープンワールドを扱っていたPokemon LEGENDS アルセウスよりも、オープンワールドの欠点が出ているポケモンSVの方が好きという人も数多い。
ポケモンはもはやゲーマーだけに向けた作品ではないから、そういう層が満足していればOKとの捉え方もある。
それでもゲームとして捉えて、他の作品と比較したときに、ポケモン要素以外では及第点をあげれないのも事実ではある。
オープンワールドが流行りだから、求められているから評価されているからオープンワールドをやったのかもしれないけど、もっと適切なやり方を模索するべき。
別に無理にすべての世界が繋がっているオープンワールドをやる必要はない。ゼノブレイドだって、ゼノブレイドクロスでオープンワールドをやった後に、ゼノブレイド2では複数の広いマップを移動する形式に戻っていたりする。*1
次のポケモンがどうなるかはわからないけれど、無理にオープンワールドをやる必要はないので、上手いこと落とし所を見つけてほしい。
ポケモンSVはバグだの処理が重いだのいろいろ言われてはいるんですが、個人的に気にならなかったのと本質ではないと思ったので省きました。
ただ、ゲームフリークの開発力が時代に追いついていないのは事実じゃないかなぁ。最先端を目指すならもっと戦略を考えるべきだし、独自性を追求するならもっと違う方向に進むべき。
評判はいろいろあると思いますが、個人的にはPokemon LEGENDS アルセウスの方が好きです。ただ、ポケモン本編の底力を感じたのも事実。オープンワールドとしてこれだけぐだぐだでもこれだけ面白いかっていう。
ポケモンとしてもジム戦でジムリーダーが最後のポケモンにテラスタルを使ってわざわざ倒しやすくする&タイプの意味がなくなったり、シンボルエンカウントなのはいいけど野良ポケモンがいすぎてランダムエンカウントよりうざかったりとかの改善点もある。
ネタにする程にダメな作品ではないけど、ファンに甘えていると足下をすくわれるぞと思うような作品ではありました。次の本編でどういう作品が出るのかはわからないですが、もっと上手くまとめた作品を出して欲しい。
それよかPokemon LEGENDS アルセウスの新作を出してほしいかな。果たして出るんだろうか。出してくれー。