龍が如く7外伝 名を消した男をクリアしたよ

 龍が如く7外伝 名を消した男をクリアしました。

 巷ではどうやら評判がいいみたいですが、個人的には微妙でした。素晴らしい部分はもちろんあるんだけど、序盤の違和感が最後まで残ってしまった。

 自らの身体以外のすべてを失った桐生一馬の孤独感の描き方が素晴らしいのは共感できるんですが、序盤の大道寺一派の描き方には違和感が大きい。

 皆さんがおっしゃる通り、最後のあの演出は素晴らしかったし、ここまで龍が如くを遊んできてよかったと思いましたが、それでも作品自体を絶賛するまででもないなぁってのが個人的な評価です。

 

 

ここからはネタバレありで感想を書きます。

序盤の展開にも触れるので、気になる人は回れ右。

 

 

 大道寺一派は大物政治家によって組織された、日本を裏から動かしてきた謎の組織。

 のはずなんだけど、日本の裏側で暗躍した組織にしては、有名な桐生一馬が現れたからと喧嘩を売るわ、世話になったからと見逃すわとさすがにゆるゆる過ぎる。

 桐生一馬を前線に出して、早々に正体を見破られてしまうしなぁ。あれだけ簡単にバレるようでは隠し切れるわけもない。*1

 それだけ緩い組織が日本の裏側で暗躍できるかといえば説得力がない。というか、描かれ方がほぼほぼ作中のヤクザと変わらん。

 

 つまり、桐生一馬のいる状況が変わっているはずなのに、環境が変わっているように見えない。環境が同じ中で、孤独な桐生一馬がのたうち回る。

 自分がこの作品をそこまで楽しめなかったのはその辺りが原因な気がする。後半は近江連合が中心となり、いつもの龍が如くになるんだけど、いつもの龍が如くがみたいかといえばそれも違う。

 やっぱり私は龍が如くから離れた新しい世界で桐生一馬がどう生きていくのかが見たかったんだろうなぁ。それこそ彼の孤独も含めて。

 そのはずだったんだけど、結果はヤクザみたいな組織から抜けて、ヤクザと組んで活動していくことになる。何も変わらない。

 

 桐生一馬がすべてを失って、孤独に生きているけれど、それに耐えられない部分をきっちり描いているのはよかった。

 それまでの桐生一馬は常人離れした伝説の男だったけれど、今回の作品ではそこから離れた人間味みたいなものが見えた。

 桐生一馬単独主人公最終作ではあるけれど、龍が如く8に繋がるものが見えたし、繋がる理由がはっきりと見える作品ではあったと思う。

 冒頭でも書いたけれど、あのラストは龍が如くをこれまで遊んできた人であれば全員に見て欲しい。あそこまで感情を露わにする桐生一馬は他にいないし、遊んできた人ならば心を動かされるはず。

 

 あとは龍が如く7で外側からでしか描けなかった東城会や近江連合の解散を、真正面から描き直すことが出来たのはよかっった。

 ここの認識は人によると思うが、龍が如く7というか春日一番の龍が如くは任侠物ではない。確かに春日一番は元ヤクザだし、ヤクザを描いているが、あくまで設定がそうなだけであって任侠物ではない。

 龍が如くで任侠物描くのであるならば、主人公はやはり桐生一馬であるべきだし、システムはアクションで、誰の力も借りずにタイマンで戦うべきだ。

 時代の影響もあるとはいえ、龍が如くを支えた東城会と近江連合の解散を作中のギミックではなく、ちゃんとした生き様として見れたのは本当に良かった。

 

 この作品は龍が如く7の外伝であり、龍が如く8に続く物語であるので、龍が如く8をクリアしないと正当な評価は出来ないのだけど、それでも一本の作品としては微妙かなぁ。

 廉価版である部分をどう評価するかってのはあるけど、物語的な良し悪しはすでに書いた通りだとしても、システム的にも変化はほとんどなく、分量だけがきっちり半分になったものを評価するのは難しいかなぁ。

 金額が半値なのだから、分量が半分なのは当たり前との意見もわかるんだけど、いろいろ流用しているならば、もう少し楽しませて欲しかった。

 

 あと感想が微妙になってしまう原因としては、これは言っても仕方ないけど、ロストジャッジメントの海藤正治の事件簿が最高すぎたのよ。

 あれだけDLCで物語もシステムもちゃんとやって楽しませてもらって、パッケージで廉価版として出てきてこの内容だと物足りないのが正直なところ。

 わがままなのかもしれないけれど、感想で嘘を書いても仕方はないし、正直なところを書いてみた。感想は各々にあるものなので、他の方のも読んで参考にしてみてください。

 もしかしたら龍が如く8で感想が変わる可能性もあるし、そこも含めて龍が如く8を遊ぶのが楽しみです。

*1:フィクションでよくあるサングラスを掛けたら何故かバレない設定とかかなと思ってたら、すぐに正体がバレて逆にびっくりした。