スカーレットネクサスをクリアしました。ユイト編をやってから、ステータスを引き継ぐ形でカサネ編をクリア。
ゲームの発売とほぼ同時にテレビアニメが放送されるメディアミックスで展開された作品。どーなんだろうなぁと思いながら遊んだけど、面白かった。
SF要素てんこ盛りで、バンダイナムコの面目躍如な魅力的なキャラクターと、アニメっぽい雰囲気が非常に楽しめた。
ゲームとしては、もう一つパンチが欲しい部分はあったけれど、それでも十分に楽しめる作品だと思います。
尚、ここからの詳細な感想はネタバレを含む形になるので、ご注意ください。
2人主人公で並行する物語を描いた作品として驚くほどによく出来ていた。
こういう2人主人公で並行する物語、しかも途中で主人公たちが合流する話の場合、主人公に選んでいない方の主人公が空気になったり、変なキャラクターになることがよくある。
スカーレットネクサスはその辺りの違和感がほとんど無い。主人公が2人共にキャラ立ちしているし、合流してからも変な感じになることなくパーティに溶け込んでいる。
この辺りはアニメの影響かもしれない。アニメだと主人公でもキャラを立たせる必要があるし、ドラクエ的な主人公にはならない。メディアミックスだからこそきっちりキャラ立ちした作品が出来上がったのかも。
世界観もよく出来ている。怪異が来襲する未来の話で、たくさんのSF要素を基軸にしながら、それらを見事にまとめ上げている。
たくさんのSF要素をまとめ上げるというと、十三機兵防衛圏が思い浮かぶが、十三機兵防衛圏の世界観がハードだとすればスカーレットネクサスの世界観はライト寄り。
ライトと言ってもとっつきやすいというだけで、手を抜いている訳ではないし、たくさんの要素をきっちり盛り込んだのは見事。
この作品のSF要素として時間跳躍があるのだけど、タイムトラベルものだがそれをメインにしてないからこそ描ける物語が非常によかった。
アクションゲームとしては悪くはないけど、スカーレットネクサスだからこその特徴がない。
別に出来が悪い訳ではないのよ。戦ってて面白いし、いろんな能力を使い分け、念力で物体を相手に当てる。ブレインクラッシュで敵を倒したり、脳駆動で無双する。
いろんなシステムがあって、派手ではある。派手ではあるんだけど、スカーレットネクサスだからこその要素は何かというと、アクションが派手で楽しいことかな……となってしまう。
派手なのもいいのだけど、アクションゲームなのだから操作面でスカーレットネクサスにしかない楽しさを見せて欲しかった。
本当にこの要素がもう一段階上のものを提示できていれば、作品としてもう一段階上にいけたのに、惜しい。
総じていうと完成度は高いし、悪くない作品なのだけど、GOTYを狙える作品と比べるともう一歩足りない。
物語の完成度が高いとの言葉を取り消す気はないけど、この作品はあくまでアクションゲームなので、もっとも求められる部分はアクションの面白さになってしまう。
もしこれがコマンド選択式RPGやADVのような、作品評価における物語の比重が高いジャンルを選んでいれば、評価はもっと上がった可能性もあり得る。
あとはまぁ、ルートを2つに分けたことで面白さを爆発させれなかったのもありそう。分けるんじゃなくて、交互に並行して進む形式にしていれば、物語の相乗効果でもっともっと楽しめる作品になっていたかも。
アニメ好きなオタクの人には薦めやすいけど、ゲーマーには物語重視で薦める感じの作品かなぁ。
アクションの特徴が無いっていうのは、反面でいえばダークソウルみたいな死にゲーのようなハードルの高さが無いってことでもある。
それでもアクションゲームなので死ぬときは死ぬから、それなりのやり込みは必要になるけど、手で覚えろってレベルでは無いので楽です。
完成度は高いし、悪くもないけど、ゲームとしては頭一つ飛び出ない惜しい作品でした。次回作があるなら、飛んでる敵をもう少し倒しやすくしてください。練り込んだ特徴のある作品を期待してます。